2016 Fiscal Year Annual Research Report
【予習課題】の取組をもとに生徒の「問う(批判的思考力)」を育成する学習指導の開発
Project/Area Number |
16H00157
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Research Institution | 滋賀県教育委員会 |
Principal Investigator |
小谷 雅彦 滋賀県教育委員会, 指導主事
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 予習 / 21世紀型スキル / 「問い」を「問う」 |
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 生徒自らが主体的に「問い」や「違和感」をもち, 仲間に対して力強く「問う」ことから, 深い学びにつなげる授業プランの開発。 2 研究方法 協働的活動につなげる【予習課題】を軸に, 生徒自らが「問い」を仲間に対して「問う」ことから主体的に学習を進める授業プランを設計する。昨年度からさらに研究を進め, 話合い活動での新しい発見で終わるのではなく, 発見したことを批判的に深く見つめ直し, 様々な角度から課題を問い直すことを重視した学習を行う。 3 研究成果 本研究は, 前任の滋賀大学教育学部附属中学校数学科に協力のもと研究を進めた。主体的に課題に取り組み, 対話を通して学びを深めることが求められている。この深い学びに生徒を誘うことができた実践となった。 従来の授業では, グループ交流したことを黒板等で発表する【発表会】で終わることが多く, 課題に対して, 考え方を交流し, 共有し深める。つまり, 仲間の考えた方に対して, 鵜呑み的に受け入れ, 理解することで授業が成立する傾向が多く見られてきた。 話合い活動での新しい発見で終わるのではなく, 発見したことを批判的に深く見つめ直し, 「条件が変わっても同じことが言えるのか」など, 様々な角度から課題を問い直すことを重視することで, 生徒は他者との関わりの中で課題を客観的多面的にとらえ, 違いや違和感を仲間に「問う」ことより数学的な理解を深めていく姿に変容した。また、「問われる側」も相手に自分の考え方を正しく伝えるために, 自分の考え方を整理し, 「問われたこと」を論理的に再構築していく中で新たな視点で考え直すことにつながる場面も見られた。 このことから「問い」をもち、「問う」ことをきっかけに学びが深まることの良さを生徒自身が実感し, 満足感の高い学びを継続することで, より主体的に学びに向かう好循環が見られたことが本研究の最大の成果であったと考える。
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