2016 Fiscal Year Annual Research Report
最短経路プログラムを用いて地域防災拠点を巡る最適解を探索する数学的学習活動
Project/Area Number |
16H00163
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Research Institution | 三重県立鳥羽高等学校 |
Principal Investigator |
田中 賢治 三重県立鳥羽高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 最短経路 / ダイクストラ法 / 防災教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 研究目的 東日本大震災以降、伊勢志摩地域においても東海・南海・東南海地震の脅威は依然として存在しており、災害時の避難経路や防災拠点を巡る人間の行動パターンについて研究し学習することは大きな意味がある。最短経路問題は定められた複数の地点をいかに最短の経路で巡回し、目的地に到達するかを探索する最適化問題である。本研究は高等学校数学の学習において「最短経路問題」を取り上げ、地域の防災拠点を結ぶ最短経路を探索する数学的学習活動を行うとともに、地域の防災教育を推進するための研究である。 2. 研究方法と内容 課題を現実的な問題として捉えるために、地域の防災拠点を結ぶ最短経路の探索を課題として設定した。鳥羽市の防災拠点について地域の現状を把握し、実測データを収集した。最短経路を探索するプログラムとしてC言語を利用し、ダイクストラ法を用いた。プログラムは数学の学習に利用しやすいように工夫した。現実的で真正な問題を解くことにより、数学的な思考を実践に活かす力を育てることを目的とした。本研究の主要な内容は次の3点である。①順列・組み合わせ、最適化問題の研究 ②最短経路問題の近似解を求めるプログラムの研究 ③数学的学習を防災学習に活かす学習計画の構築 3. 研究成果 地域の防災拠点について生徒とともに現地調査を行い、自分たちの問題として捉えさせ、そのデータをもとにいかに数学的に問題解決するかという課題設定を行った。また、プログラムによる最適解と人間のヒューリスティックな方法による最適解の比較を行い、生徒の探究心を高めるような工夫をした。プログラムによる最適解と人間の判断による最適解の違いについて検討し、地域防災のために最適な避難経路はどうあるべきかについて議論を行った。これにより数学的な問題解決を行うと同時に、地域防災に関わる防災教育の推進につながる授業を展開することができた。
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Research Products
(1 results)