2016 Fiscal Year Annual Research Report
数学科におけるプロセス能力の形成的アセスメントに関する研究
Project/Area Number |
16H00166
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
本田 千春 東京学芸大学, 附属国際中等教育学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | プロセス能力 / 形成的アセスメント / ルーブリック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 数学科において, 真正な現実画面の問題とルーブリックを作成し, 問題を解決するプロセスに焦点を当て, 形成的アセスメントとして授業で活用し, その有効性を実証的に示すことである。そのために, 現実場面の問題を扱いながらプロセス能力の育成に焦点を当てた教材であるイギリスのデジタル教材「Bowland Maths.」や「Core Maths」に着目し, その中から日本の文脈に合わせて開発できる教材をいくつか選んだ。また, 「Bowland Maths.」のケーススタディで育成されたプロセス能力を評価するために提供されている「Assessment Task(評価課題)」の中から日本の文脈に合わせて開発できる教材をいくつか選び, ルーブリックの有効性を分析した。イギリスで形成的アセスメントを取り入れた授業を実践されている先生方と形成的アセスメントを取り入れた授業の在り方について検討した。形成的アセスメントの方法として以下の方法が有効であることがわかった。一つ目は, 自力解決をさせたあと, ルーブリックを与え自己評価させ, その後, グループで, ルーブリックをもとに相互評価させ解決方法を改善させる方法。二つ目は, 自力解決をさせたあと, プリントを回収し教師がルーブリックをもとに改善の方針に当たるコメントを生徒にフィードバックし, その後, 生徒に自らの解決方法を改善させる方法。これらの方法を課題に応じて実践することで, 個々のプロセス能力が徐々に向上していくことがわかった。 また, 「Bowland Maths.」が始めた, 生徒の数学的問題解決能力を測り, その伸長を1年間かけてモニターすることを目的とする調査の日本における実践を行い, イギリスでの調査結果と比較をし, イギリスの研究会において、日本の中学生にみられる特徴について報告した。
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