2016 Fiscal Year Annual Research Report
技術科におけるシステム思考の導入・活用による思考力等の育成に関する研究
Project/Area Number |
16H00172
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Research Institution | 熊本市立西山中学校 |
Principal Investigator |
内田 有亮 熊本市立西山中学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | システム思考 / 氷山モデルカード / 技術を適切に評価し活用する能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、主として中学校技術・家庭科技術分野の「C生物育成に関する技術」という学習内容にシステム思考を導入することにより、生徒の思考力・表現力・判断力等を育成することである。この目的に基づき、システム思考氷山モデルカードの導入方法や各種教材、カリキュラム等の検討を行い、今後の授業活用上の検討事項を明らかにすることとした。研究方法としては、これまでのシステム思考教材そのものやその導入方法を生徒がより主体的かつ対話的に活用できる方法に改め、授業実践を行い、その際の事前・事後調査により生徒の思考力等の変化を捉え、検討を行う方法をとることとした。研究成果としては、思考力等が反映される生徒の「技術を適切に評価し活用する能力」について、A判定に相当する「側面や立場からトレードオフや最適解に関する記述がある」生徒は、事前は18名であったが、事後では82名と64名増加した。また、C判定に相当する回答(無回答含む)は、事前84名が、事後42名と42名減少した。これらのことから、システム思考を導入した本実践によって、生徒らはカードを単独でヒントとしたり、教師のカードの使用順序を組み込んだワークシート等に取り組んだりして、生徒自らの思考の視野を広げ深めることができたと考えられる。検討事項としては、第1にトレードオフの概念や最適解等の理解のために、カードの概念をより理解しやすくする例示方法や教具、指導方法等を新たに開発することである。第2に、本実践は2年生から3年生と2つの学年での実施となった。これまでの研究成果や本実践の成果を基に、カードの理解や定着について、1年時にどのような指導法が適切で効果的かを検証し、3年間を見通した系統的、効果的なカリキュラム開発を行うことである。
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Research Products
(3 results)