2016 Fiscal Year Annual Research Report
高校生物における「DNA研究の歴史」の仮想実験教材の開発と活用
Project/Area Number |
16H00182
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久川 浩太郎 筑波大学, 附属聴覚特別支援学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 仮想実験 / タブレット端末 / DNAの歴史 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 高等学校で履修する生物基礎の中の「DNA研究の歴史」の単元では、過去に行われてきた遺伝子やDNAに関する実験が紹介されている。しかしながら、細菌や放射性物質を使用する実験であるため、授業で実施することは困難であり、実験の紹介のみで知識伝達型の授業で終わってしまうことが多い。そこで、「DNA研究の歴史」に記載されている実験について、タブレット端末を使用して仮想的に体験することで、課題解決型の授業が行えるような教材を開発し、授業で活用した。 研究方法 ・教材の開発 教材はMicrosoft PowerPointを使用して開発し、タブレット端末でも操作できるようにするとともに、授業中にスクリーンで提示できるようにした。「DNA研究の歴史」に記載されている、①グリフィスの実験、②エイブリーらの実験、③ハーシーとチェイスの実験の3つの実験教材を作成した。さらに補助教材として、肺炎双球菌と白血球の関係に関するアニメーション、大腸菌内でのファージの増殖の様子を示したアニメーションを作成した。これらの教材は教科書の図をもとに作成し、教科書と教材を対応できるようにした。 ・教材の活用 平成28年度の高等部1年生24名を対象に、必修である生物基礎の授業で開発した教材を使用した。授業実施後、生徒に評価問題と質問紙調査を実施して評価し、効果を検証した。また、授業中に使用したワークシートの記述からも検証した。 研究成果 通常では困難な実験を、タブレット端末を使用して生徒自らが実験結果を導くことで、科学的・論理的な見方や考え方を養えることが明らかとなった。評価問題や質問紙調査の結果からは、仮想実験教材を使用することで、授業の興味・関心や理解が深まったり、授業内容の定着につながったりしたことが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)