2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H00183
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沓脱 侑記 広島大学, 附属福山中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 実験教材 / 植物性油脂 / ナンキンハゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 高等学校化学の内容に対応した実験教材として, 生徒に馴染みが深いと考えられる学校内に植栽されている植物から油脂を抽出し, 抽出した油脂のケン化価やヨウ素価を調べることでおおよその構造を推定する教材の開発を目指したものである。 搾油のために利用したのは, ナンキンハゼの実の皮(烏臼油)と, オリーブの実(オリーブオイル)である。どちらも粉砕した試料から, ヘキサンを用いた溶剤抽出法により油脂を抽出し, 収率を求めた。また, 得られた油脂については, 水酸化カリウムを用いたケン化価測定と, シクロヘキサン-ウィイス法を用いたヨウ素価測定を行い, 分子量や分子構造の推定を行い, 文献値と比較した。その結果, 高等学校化学で扱える範囲の実験でも, 妥当性の高い実験結果が得られることが明らかになった。 開発した教材の有効性については, 科学系のクラブに所属する生徒を対象に試行を行った。生徒実験に時間がかかること, 生徒の学年によって内容に対する理解度と実験技能に大きな差が出ること, などの課題は残ったが, 実験結果は予備実験と同様に良好であり, 教材の実施により生徒の興味・関心や科学の利用に対する理解の向上が確認された。教材の難易度については, 中学生にはやや難しく, 化学基礎を履修した高校生であれば概ね問題ないレベルであった。 なお, この研究の成果の一部は, 平成28年度日本理科教育学会近畿支部大会(於 : 大阪教育大学)で発表したほか, 広島大学附属福山中・高等学校中等教育研究紀要に掲載された。
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Research Products
(2 results)