2016 Fiscal Year Annual Research Report
中学校技術科で思考力・判断力・表現力を育む協働的課題解決型設計学習の開発と実践
Project/Area Number |
16H00185
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Research Institution | 長崎大学教育学部附属中学校 |
Principal Investigator |
小八重 智史 長崎大学教育学部附属中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 中学校技術科 / 思考力・判断力・表現力 / 深い学び |
Outline of Annual Research Achievements |
文部科学省教育課程企画特別部会論点整理(2015)では, 深い学習のプロセスが重要であると示している。しかし, 技術科では平成20年度の学習指導要領改訂における全分野必修化による総時数に対する学習内容の増加により, 教育課程において深い学習プロセスを実現できない課題がある。 そこで, 本研究の目的は中学校技術科の授業において「生活を工夫し創造する能力」即ち思考力・判断力・表現力を育むための深い学習プロセスとなる設計学習の実現のために教育課程の編成及び授業実践を行った。教育課程の編成においては, 従来の技術教育の学習プロセスを一新することなく深い学習プロセスを実現するために, 従来の学習プロセスに各内容の終末に製作を前提としない協働的課題解決型設計学習を加えた学習プロセスを開発し, 学習プロセスに基づいた授業実践を行った。その際, 学習評価をパフォーマンス評価で実現する方策を検討したが, 創造的思考ルーブリックの適用は難しく, 評価基準を用いた評価の妥当性も示すことはできず, 生徒の工夫・創造する能力がどのように向上したか示すことが困難であった。そこで, 本研究では文部科学省が定義するイノベーションの類型に生徒の成果を分類し, 生徒が本実践において生徒がどのように発想することができたかを評価することで工夫・創造する能力を評価することした。その結果, 14%の生徒が単なる模倣や記述不足であったが, 72%の生徒が現存する製品や設備の仕組みや研究構想されている製品や設備などに自らのアイディアや工夫を加えて提案することができ, 14%の生徒が新しい市場を生み出すようなアイディアを提案することができていた。このことから, 製作・制作・育成を前提としない協働的課題解決型設計学習を取り入れることで, これまでの技術教育における学習プロセスが工夫・創造する能力すなわち思考力・判断力・表現力を育成することができる深い学習プロセスとなることを示すことができた。
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Research Products
(2 results)