2016 Fiscal Year Annual Research Report
熱概念の変容を促すディープ・アクティブラーニング型の授業構成に関する研究
Project/Area Number |
16H00191
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Research Institution | 群馬県立前橋高等学校 |
Principal Investigator |
杉田 俊也 群馬県立前橋高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 概念変容 / ディープ・アクティブラーニング / 熱概念 |
Outline of Annual Research Achievements |
〈研究目的〉 高等学校物理基礎における熱概念の変容を促すディープ・アクティブラーニング型の授業構成のあり方を明らかにする。 〈研究方法〉 (1) 試行授業実践校の生徒が熱分野で保持しているミスコンセプションを明らかにするため、質問紙法によるプレテストを行う。 (2) 海外のディープラーニングとアクティブラーニング、そして概念変容に関する先行研究を分析し、そこから得られた知見とこれまでに研究で明らかになってきたことをふまえ、熱概念の変容を促すディープ・アクティブラーニング型の授業を構成する。 (3) 試行授業を実践し、その後に質問紙法によってポストテストを行い、熱概念の変容を促すディープ・アクティブラーニング型の授業構成のあり方を明らかにする。 〈研究成果〉 プレテストの分析により、試行授業実践校の多くの生徒が熱分野におけるミスコンセプションを保持していることが明らかになった。それらを科学的な概念へと変容させるため、概念変容理論を手がかりにして授業を構成し、その中にディープラーニングを促すアクティブラーニング型の活動を位置づけた。ポストテストの分析より明らかになった、授業構成のあり方として以下の3点を挙げる。 (1) 示強変数としての温度概念の獲得は、熱と温度の因果関係について学習した後、生徒達同士で因果関係を意識させた上で学習課題に対する議論を行わせることにより、促すことができる。 (2) 熱を物質として捉える見方は、熱学史上で熱物質説が否定されたプロセスを提示すること、そして熱力学第一法則の関係を見出させる、知識構成型ジグソー法の授業を行うことにより、変容を促すことができる。 (3) 熱には「熱(温)」と「冷」の2種類があるという見方は、熱現象を物質粒子の熱運動で解釈させること、そして活動のリフレクションとして仲間と議論をさせながらコンセプトマップを作成させることにより、変容を促すことができる。
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Research Products
(1 results)