2016 Fiscal Year Annual Research Report
環境教育のための土の浄化作用の教材化とパフォーマンス課題の開発
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16H00201
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
風呂 和志 広島大学, 附属三原中学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 環境教育 / 土の緩衝能 / パフォーマンス課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, 環境教育のための土の教材化とそれを用いたパフォーマンス課題を開発することと, それらを用いることによる環境保全に主体的に関わろうとする意欲の高まりを検証することである。「環境教育等による環境保全の取組の促進に関する法律」には環境保全活動・環境教育の一層の推進を図ることが明記されており, 学校で行われる環境教育に対して, 環境について学ぶ授業や環境のための学ぶ授業が求められるようになった。環境について学ぶことは環境と人間の関わりについて理解を深めることである。土は環境保全の対象であると同時に, 人間は土によっては環境の急激な変化から守られている存在であることを知識として持つことは, 環境に対する見方や考え方を豊かなものにするために必要であると考える。そこで, 土が環境の中で果たしている役割を既習事項の活用によって中学生が見出せるように, 酸性雨の問題と土のpH緩衝能を関連させた学習指導計画及び実験方法を開発した。教材の普及を考え, 実験方法や容器の工夫, 土の選定, デジタルpH計の使用等を研究した。パフォーマンス課題は土の緩衝能に対する理解や科学的思考力・表現力の状況を評価するために, 酸性雨と川の水のpHの違いを説明させるものを開発し, ルーブリックを整備した。また, 環境保全に主体的に関わろうとする意欲を調べるために, 日頃行っていることと, これから行いたいことを比較する質問紙を作成した。開発した実験は授業時間内で実施可能で, 操作に戸惑う生徒もいなかった。授業後の感想文の分析の結果, 土の働きに関心を持たせたり, 雨と土のつながりに気づかせたりすることができていた。また, パフォーマンス課題の評価によって学習の定着状況を適切に評価できた。しかし, 環境保全に主体的に関わろうとする意欲の高まりについては, 作成した質問紙の結果からは明らかにできなかった。
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Research Products
(1 results)