2016 Fiscal Year Annual Research Report
高校教育現場で使用できる安価な簡易液体クロマトグラフィーの開発
Project/Area Number |
16H00206
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Research Institution | 学校法人市川学園市川中学校市川高等学校 |
Principal Investigator |
冨永 蔵人 学校法人市川学園市川中学校市川高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 液体クロマトグラフィー / 発光ダイオード / 受光素子CdSセル |
Outline of Annual Research Achievements |
各種分析機器メーカーからは、液体クロマトグラフィーが販売されているが、どの機種も100万円を超える高額な装置であり、高校教育現場では購入することが難しい。よって、なるべく代替機器の費用(製作費)を抑え、市販品の使用を控えつつ、簡易液体クロマトグラフィーを製作することを目的とした。 まず、液体クロマトグラフィーの構成部位をよく考え、代替機器の考案を行った。送液のポンプ部は、市販されているチュービングポンプを、サンプルを注入するインジェクター、化合物を分離するカラムは市販品をもちい、検出部の代替機器の考案を行った。検出器は、波長既知発光ダイオード(LED)と受光素子を組み合せた簡易吸光度計を製作し、LEDを交換することで、いろいろな部分に吸収をもつ化合物を測定できるようにした。 検出部の受光素子として、CdS(硫化カドミウム、NSL-19M51)セルを利用した。原理として、光源であるLEDからの光を、受光素子CdSの抵抗の変化を電圧に変換して計測した。 吸光度ABS=log(lo/l)=εcL l : 透過光の強度 lo : 入射光の強度 吸光度にはLambert-Beerの法則があり、光が物質を通過するとき、入射光の強度loとし、透過光/として、その比の対数(すなわち吸光度)は物質層の厚さLに比例し、物質層の濃度cに比例する。CdSセルはLDR(Light-dependent resistor)光依存性をもち、抵抗Rは光強度/に反比例するので、ABS=a log(R/R_0)の関係式が成り立つ。 分析用カラムからでた留出液の流路に、受光素子とLEDを設置し、流路を通過する溶液の吸光度を測定した。 今回作製した検出部での測定は、ばらつきが大きいため、今後改良を重ね、液体クロマトグラフィーの検出部として機能させていく。より詳細なデータをまとめた上で、投稿論文を作成し、発表する予定である。
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Research Products
(1 results)