2016 Fiscal Year Annual Research Report
家庭教育の充実を図るための情報カード作成単元の開発
Project/Area Number |
16H00223
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Research Institution | 岐阜教育事務所 |
Principal Investigator |
酒井 統康 岐阜教育事務所, 指導主事
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 情報モラル / 家庭教育 / 情報カード |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, デジタル版の情報モラルに関する学習カード(「デジタル版情報カード」)の作成と, 担任教師が短時間で指導でき, かつ, 児童を通じてすべての保護者に情報モラルに関する情報を提供できる実践モデルを開発することを目的とした. 昨年度の研究実践結果として, 「著作権・肖像権」については, 作成した紙ベースの情報カードではその知識の定着に課題が見られた. そこで, 本年度は, アウトプットする場として, デジタル版情報カードを用いて, 保護者へ「話す」だけでなく, 「作成する」という活動を位置付けることにより, 児童生徒の情報モラルに対する理解力向上や親子の会話を通した家庭での情報モラル教育の推進を促すことを検証した, なお, デジタル版情報カードは, 操作構成を統一性のあるものするなど昨年度開発した教材を改訂した. 実践の結果, 次の2点について成果が得られた. 1点目は, 情報カード「作成・伝達」に関わる単元の開発とその効果の検証である. 担任が負担なくできること, 今後の実用性を重視することを考え, 短学活を中心とした単元構成とした. 実践をした担任へのインタビュー調査では「短学活での実践を繰り返すことにより, 実践期間中に, 保護者へ啓発をすることができるため指導がしやすい」という評価が得られた. 2点目は, 情報カード「作成・伝達」による児童の知識向上及び家庭教育への波及効果である. 昨年度, 課題となっていた「著作権・肖像権」の知識定着を見るために, 昨年度A県第6学年児童と今年度B県第4学年児童それぞれの「事後と遅延」調査結果を比較した. その結果, 作成を伴うB県児童は, 事後と遅延との間には有意差が見られない一方, A県児童は事後調査の方が有意差に高いという結果が見られた. また, 保護者への質問紙調査においても, 開発したすべての情報カードの内容について, その理解度が有意に高まった.
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Research Products
(1 results)