2016 Fiscal Year Annual Research Report
ねじ締め付け力の体感と可視化を可能とする簡易センサーの開発
Project/Area Number |
16H00231
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
阿部 努 函館工業高等専門学校, 技術教育支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | ねじ締め付け力 / 力加減 / 可視化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 : 学生がねじを締め付ける作業を行う時、適度な力加減が分からずに締めるため、緩すぎだり締めすぎたりする事例が多く見受けられる。理由としては、次の2点が考えられる。1、締めたもののその力加減で良いか分からない(感覚・腕力には個人差がある)。2、見ただけでは締め加減は判断が付かない(スパナ等の通常工具では分からない)。本研究は、トルクレンチ等の特別な工具を使用せずに通常の工具でもボルト・ナット類の締め付け訓練が適正に行えるように、体感および可視化できる簡便なセンサーの試作を目的とする。 研究方法 : 想定したねじサイズは、製作・実験がしやすいと予想してM10(標準締付けトルク24.5N・m)を選択した。手順は次の通り。1、材料選択 : ステンレス板・厚さ1mm。2、金型製作 : 円環形状内側の爪部分を折り曲げるための円錐形状(CNC旋盤)。3、切り出し : 円環内側に爪8枚および予想していた変形にならなかったため、破断しやすいように切込みを1ヵ所追加(ファイバーレーザー加工機)。4、折り曲げ : 爪部分を折り曲げる(プレス機・製作しておいた金型)。5、設置 : 試作した簡易センサーをボルト-簡易センサー-ワッシャー-ナットの順に。6、計測 : ボルトを締め付け、破断した時のトルクを計測(トルクレンチ)。7、繰り返し計測し、目標の締付けトルクに近いところで破断するように形状・厚さ・材質を求める。 研究成果 : 製作した簡易センサーは、スパナ等の通常工具でも、破断直前まで力加減を感じとることが可能であった。破断するまで締め付ける方法なので、体感・目視いずれも分かりやすい方法である。また、今回の研究・実験により、切込み形状を変える(位置 : 2種類、長さ : 4種類)ことによって必要なトルクに調整可能な試作品を製作することができた。これにより、実際に用いる工具でも簡易センサーを使用することで体感が可能となった。
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