2016 Fiscal Year Annual Research Report
五感を活用して「旋盤作業の安全」を学べる教育支援シミュレータの開発
Project/Area Number |
16H00237
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
金綱 正司 木更津工業高等専門学校, 教育研究支援センター, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 旋盤 / 安全教育 / 教育支援シミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 機械工作実習で使用する工作機械は、学生にとって未知の存在であり、特に旋盤などの機械工作では危険が伴うため、常に安全が最優先される。本研究は、学生が旋盤実習における事故事例を安全な環境下で体験し、安全作業に対する理解や意識をイメージとして効果的に学習できる安全教育支援シミュレータの開発を提案するとともに、本シミュレータを活用した安全教育を導入することで、学生自らが事故の防止策を考え、正しい旋盤作業の習得や安全意識の向上にどの程度有効か調査・検証を行った。 研究方法 安全教育支援シミュレータは、精密卓上旋盤と複数のマルチメディア機器を活用するとともに、事故を模擬体験できる卓上実験装置、指導者の目線の動きを捉えるウェアラブルカメラ、カメラで捉えた情報を表示する小型モニタ及び音声を鮮明に聞き取れるスピーカーシステムで構成し、機械工作での正しい手順から外れた危険な作業を体や五感を働かせながら体験させることで、学生が危険なポイントや事故の防止策をイメージとしてリアルタイムに学習できるものとした。これらを構築し、安全性の確認試験や動作試験を行った後、本シミュレータを導入した授業を行った。 研究成果 安全が確保された環境下で学生自らが機械を操作し、目で見て、耳で聞きながら事故事例を体験することで、工作機械を使用する際の危険性を認識し、実際の旋盤作業におけるうっかりミスや誤った作業によって発生する事故をしっかりと五感で感じ取りながら学習できるようなシミュレータを開発することができた。また、本シミュレータでのリアルタイム学習と併せて、危険予知訓練及びヒヤリハット報告制度を取り入れた授業を実施することで、学生が作業中にどのようなことが危険なのか考え、対策を練り、安全に対する意識を高めながら、旋盤作業に対する理解を深めている様子を伺い知ることができた。旋盤実習における安全教育を改善するために行った今回の試みは、学生に正しい旋盤作業の習得や事故の防止策を育ませる上で効果的であると考えられ、より的確な安全指導が可能となった。
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