2016 Fiscal Year Annual Research Report
フロントローディングによる現代のものづくり現場に即した教育プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
16H00238
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Research Institution | Kagoshima National College of Technology |
Principal Investigator |
上沖 司 鹿児島工業高等専門学校, 技術室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | フロントローディング / 3Dプリンタ / PBL |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 筆者が所属する高専は、即戦力となる開発型技術者を社会に輩出する教育機関であり、創造性を育成するために学生自身が試行錯誤を繰り返してものづくりを行う実験・実習を実施している。しかし、アイディアを実現するための試行錯誤や部品の設計・開発等、創造性を育むための取り組みを限られた時間内で効率的かつ効果的に実施する点で、いくつかの問題を生じている。そこで、本研究では、フロントローディング手法を創造教育に取り入れ、限られた授業時間内でものづくり教育を効率的に行う教育プログラムを開発し、その効果を検証するものである。 研究方法 研究の対象となる教育カリキュラムは、本校の電子制御工学科3年次で開講されている、「創造設計」である。この科目は、これまで学習した基礎知識と技術をメカトロニクスの設計製作に応用し、ものづくりを通した製品開発の手法を体得することで、創造性を育成する目的で開講した。 本教育カリキュラムにフロントローディング導入の必須技術である3DCADを活用し、この段階で設計の不具合を洗い出す。また、3Dプリンタを使用して学生の設計したCADデータを現物化し、設計の検証や製作物の部品として利用することで、効率的なものづくり教育を可能とする。 研究成果 次年度の導入にあたり、まず購入した3Dプリンタの特徴を把握し、①製作時間、②製作物精度、③製作物強度について検証を行い、本教育カリキュラムで活用可能であることを確認した。次に、①学生向けマニュアルの製作、②3Dプリンタの設備維持、製作環境の充実を図り、学生が活用できる環境を整えた。今回の研究で3Dプリンタにより、既製品にとらわれず柔軟な設計開発が可能になることから、「創造設計」開講の目的にある「創造性を育成する」効果が大いに期待できる。
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