2016 Fiscal Year Annual Research Report
複数分野の有機的結合による多角的分析力の涵養 -通信技術に着目して-
Project/Area Number |
16H00239
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Research Institution | Kagawa National College of Technology |
Principal Investigator |
河口 尚宏 香川高等専門学校 詫間キャンパス, 技術教育支援室, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | NTP / 電波時計 |
Outline of Annual Research Achievements |
通信技術は、アンテナや光ケーブル等を利用して情報を伝達するハードウェア面と、プロトコルを解釈するプログラムを扱うソフトウェア面があり、これらは互いに密接な関係にあるが、それぞれは異分野であるため、通信技術に携わる人間も、他方の技術に対して全く不明であるといった不都合がしばしば起こりうる。以上の問題を解決する教材を開発することを目的として、本研究では、電波時計を利用したNTPサーバに着目した。 本教材の学習の流れを考察した。大まかな流れとしては、 ・コンピュータなどの通信機器の通信機能を7つの階層構造に分割したOSI参照モデルの記述 ・OSI参照モデルのトランスポート層の説明を記述する際に、事実上の標準通信プロトコルであるTCP/IPやUDPについての特徴を記述 ・本研究で着目しているNTPサーバはUDPにより通信しており、この話題に絡めてNTPサーバについて記述、及び、設定の実習 ・NTPサーバの原理を記述する際にはGPSや原子時計に言及する必要があり、その話題に絡めて原子時計から標準電波の話題へと言及 ・標準電波の話題に絡めて電波時計についての記述と、それを利用したNTPサーバへの構築への記述 以上のような形で、資料をまとめることとした。上記のような学習の流れなら、ネットワークの基礎的なことを学習しつつ、自然と標準電波や電波時計というハードウェア面にも目がむけることができると考えたからだ。ただ、ハードウェア面では、ケーブル類等に関する言及が多少あるものの、プロトコル等のソフトウェアに関連する説明や、コンピュータを扱った実習に比重が大きくなってしまった。 現在は秋月電子の電波時計キットを参考にしているが、自作できる部分を増やすことが今後の課題である。また、このキットがシリアルUSB変換ケーブルだとうまく認識できない問題も発生しており、解決する必要がある。ただ、このような問題発生は本教材の良い課題となり得る。今後も検証を継続していく。
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