2016 Fiscal Year Annual Research Report
高専学生へのコスト意識の重要性啓発のための実習教材開発
Project/Area Number |
16H00241
|
Research Institution | Tsuyama National College of Technology |
Principal Investigator |
神田 尚弘 津山工業高等専門学校, 技術部, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2016
|
Keywords | コスト |
Outline of Annual Research Achievements |
企業では効率的な生産が必要であり、コスト意識が大変重要である。一方、学校の実習授業では「コスト」に対する教育はほとんど行われていない。そこで、コストを考慮した設計・製作ができる実践的技術者を養成するために、コスト意識の啓発を主眼においた高等専門学校学生対象の実習教材を開発した。 本研究では、NC旋盤実習の作品を題材とすることにより、自分が製作した作品のコストを考えることで興味を示し、より印象に残ることをねらった。 実際のコスト計算は、開発から納品まで非常に複雑である。しかし、今回はコスト意識への動機付けを目的とするため、材料費と加工費のみを対象とした。 テキストと課題は共に4ページの別冊とし、1ページ1単元として作業しやすいものとした。 1. 生産コストを、材料費+(加工に要した時間×チャージレート)で計算させた。材料費は、定尺棒材の購入額から材料費単価を算出。加工に要した時間は、機械段取り、プログラミング、ドライラン、実加工の合計時間。 2. 同一部品を大量生産(10個、100個)した場合の、1個当たりのコストを計算し、量産効果について学習させた。 3. 素材の材質による違いについて考えさせた。今回は簡易計算であるため、材質により異なるのは、材料費と切削条件(切削速度と送り速度)のみとした。 4. コストダウン(原価低減)のために技術者としてできることを設計、生産技術、生産現場それぞれの段階について考えさせた。 実習課題は単元ごとに、何がわかったのかを設問した。「大量生産すると原価が安くなる理由がわかった」「設計をきちんと考えて行うことが費用を安くする」などの記述が多数見られることからコスト意識の啓発という点において一定の成果があったと考える。
|