2016 Fiscal Year Annual Research Report
重力軽減環境訓練システムにおける主体的な活動を目指した補助教材の工夫と開発
Project/Area Number |
16H00274
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Research Institution | 大阪府立岸和田支援学校 |
Principal Investigator |
馬渕 哲哉 大阪府立岸和田支援学校, 教員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 特別支援教育 / バーチャルリアリティ / 自立活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
筆者は肢体不自由児教育を行う特別支援学校に勤務し「自立活動」の領域において「重力軽減環境訓練システム」を使用して授業に取組んでいる。このシステムは、ゴムの張力により重力を軽減し、姿勢制御を促し、環境に適応する治療機器をコンセプトにポーランドのNorman Lozinskiにより開発され、THE SPIDERと名付けられた。「自立活動」は「しんどい」「つらい」というイメージに往々としてとらわれることもあるが、このシステムに加え「バーチャルリアリティ(以下、VRと略す)ゴーグルを活用したジャンプ」「アクティブ動画を活用したウォーキング」の2種類のVR教材の工夫・開発を行い、生徒自らが、より主体的な活動に取り組めることを目的に取り組み、VR教材を使用時と不使用時を画像において比較し、その効果の検証を実施した。 その結果「VRゴーグルを使ったジャンプ」においては、VRゴーグルを使ってジャンプに取り組むことにより、使用しない時に比べて1.67から1.78倍のジャンプの高さに差があり、明らかな効果が認められた。次いで、「アクティブ動画を活用したウォーキング」については、検証を行う前には動画を見ながら歩くことで、「歩く意欲に影響を与え、身体全体の動きが増加するだろう」と予測したが、予測に反し、運動量が減少していた。また、VR教材を使用した画像を見ると、明らかに頭部の部分の反応が少なく、頭が固定されていることが解った。これはアクティブ動画を見ることに集中し、「頭の位置が固定され、自然な歩容となり、無駄な動きがなくなり、従って身体全体の動きは減った。」と考察できる。このことは運動量を狙った教材としては残念ではあったが、より正しい歩容でウォーキングを行えた結果であり、満足できるものとなった。 以上、立位姿勢の保持の時間からの楽しめる時間への移行であり、当然、興味・関心・意欲にも大きな違いがあり、そのことは主体的な学習過程へ関与するものと考えた。
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Research Products
(2 results)