2016 Fiscal Year Annual Research Report
幼稚園における特別な支援を必要とする児の早期支援プログラムの開発
Project/Area Number |
16H00276
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Research Institution | 士幌町こども発達相談センター |
Principal Investigator |
狩野 信也 士幌町こども発達相談センター, 士幌町認定こども園, 所長・園長
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | SDQ / 早期支援プログラムによる介入 / ビデオフィードバックを用いたペアレントトレーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
1 研究目的 : 当こども園においては、担当教諭の児の支援ニーズの把握や支援方法において、理解度や支援方法などに差異があり、適切な支援に繋げることが課題となっている。また、保護者との連携が十分でない事例が見られ、小学校入学後の不適応に至ることがあった。他園においても同様な傾向を示しており、特別な支援を必要とする児の早期発見・早期支援プログラムを開発し、担当教諭の支援技術向上に結び付けることが喫緊の課題になる。本研究の実施の結果や成果を広く還元する。 2 研究方法 : (1)SDQ(子どもの強みと困難さアンケート)を評価尺度にして介入の前後に調査した。(2)支援ニーズの高い児への介入(実験群)の効果を非介入(統制群)と比較した。(2)実験群の担当教諭に対して早期支援プログラムに基づくコンサルテーションを定期・不定期に実施した。(3)早期支援プログラムとして年度当初の調査に基づき、行為面、多動・不注意、情緒、人間関係、向社会性に課題のある幼児に対して愛着形成と行動分析の視点を援助方法に取り入れた。保護者にも支援方法について知らせ共有化を図った。(4)ビデオフィードバック(V・F)を用いたペアレント・トレーニング(P・T)を実施する中で、共通目標・方法に基づいた支援を行い、ビデオ分析によりその効果の検証を行った。 3 研究成果 : 実験群とも統制群とも2回目のSDQの合計の数値は減少していたが、介入・非介入の効果を比較すると、実験群においては、支援ニーズの高い児の数値の減少が4歳児、5歳児、全体を通して有意差として確認された。また、行為面、多動・不注意、仲間関係の項目においても全て有意差が見られ、早期支援プログラムは有効であった。支援ニーズの高い幼児の母親への(V・F)を用いた(P・T)は、家庭における応答の強化を行った結果、応答頻度の回数が著しく増加しその効果が確認された。
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Research Products
(1 results)