2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H00344
|
Research Institution | Hiroshima National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
丸山 真弘 広島商船高等専門学校, 技術支援センター, 技術系職員
|
Project Period (FY) |
2016
|
Keywords | レーザ加工 / 反射 / ナイフエッジ |
Outline of Annual Research Achievements |
レーザ加工機はパルスレーザを用いた加工機で種々のワーク(加工部材)を切断加工する。加工中に照射されるレーザは, レーザ加工機本体の一部であるナイフエッジにより反射されワークそのものに損傷を生じる。このナイフエッジは切断加工するワークを点接触で下方から支持するためのものである。 本研究は反射光による加工部材の損傷を低減化するためにナイフエッジの先端形状の変更のみで, ワークの損失を低減化するとともに再加工に要する時間の低減化を目的としたものである。 ナイフエッジはメーカ標準の形状と提案する二つの形状を比較するために, 反射影響が出やすいワークとして厚み3mmのアクリル板を用い, 切断加工の軌跡がナイフエッジ上部を常時通過するようにして反射影響を確認した。なお, ナイフエッジの素材や先端のピッチ, レーザ出力などの加工条件は同一とする。 それぞれの形状で複数回実験を行い, 同一形状では同じような反射影響の傾向が以下の様に見られた。 標準形状 : 反射による損傷範囲が広く目立つ 提案形状A : 3つを比較すると損傷は一番少ないがそれでも支持点上部に損傷がある 提案形状B : 標準形状よりも損傷は減少しているが形状Aよりも損傷が見られる このことから先端形状を変更することで材料の損傷範囲の軽減が確認出来た。ただし, 反射影響の範囲が小さくなる代わりにレーザの熱影響が局所に集中した所見が認められた。このことからナイフエッジ先端の支持部がワークと接触しているために, レーザの反射を完全に回避することは難しいと考えられる。 また, 反射による損傷ではないがワークにアクリルを用いると切断時に可燃性ガスが発生する。この可燃性ガスはレーザを熱源として発火し, 自身を焼損させてしまう。メーカ標準形状では可燃性ガスの排出が悪いためか発火が起きていたが, 提案形状は先端を長く変更したことによりワーク下部に空間が生まれて可燃性ガスの排出が良くなり発火が起きなくなった。 今回の実験からレーザによる反射影響を解決するにはナイフエッジをレーザの熱エネルギーを吸収することが出来る素材に変更してはどうかと考えるが, ナイフエッジはワークの支持を行いながら長期使用に耐える強度が必要となるため, 今後はそれらを叶える素材を模索していきたい。
|