2016 Fiscal Year Annual Research Report
電子ビーム露光レジストの現像によるクラック防止対策
Project/Area Number |
16H00369
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 茂雄 東京工業大学, 技術部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 電子ビーム露光 / レジスト / クラック |
Outline of Annual Research Achievements |
電子ビーム露光用ポジ型レジストZEP520Aは、高解像度と高感度を併せ持つレジストであり微細加工プロセスに多く用いられている。しかし、リフトオプロセス等、厚膜がレジストに要求される場合、ZEP520Aは、膜厚約0.4μm以上ではクラックが発生しやすくなる。クラックは、レジストをウェーハに塗布後に残留溶媒の除去、レジストの密着性の向上、残留溶媒の除去等のためにおこなわれるプリベークによるレジスト内部の応力や現像により発生するケミカルクラック等いくつかの要因により発生すると思われる。 ZEP520AをSiウェーハにスピンコーターにより1.4μm塗布し、恒温槽で20分、ホットプレートでは2分それぞれ80℃~180℃まで変化させてプリベークした。露光は加速電圧100kVの電子ビーム露光装置(JBX6300SJ)によりビーム電流15nA、露光量400μC/㎠で行い、現像はキシレン、リンスはIPAで行った。露光パターンは、クラックが発生しやすい45°90°をもつ図形とした。 レジストを180℃で恒温槽によりプリベークしたとき露光、現像後コーナーにクラックが発生する。恒温槽では、レジスト表面から加熱されるため表面近傍の溶媒濃度が低下し、それに伴う体積収縮によりレジスト表面には、硬化層が形成されレジスト内部の軟化領域との間に応力が発生する。その結果、現像時にパターンにクラックが発生すると思われる。恒温槽の温度を下げて80℃でプリベークしたときも同様にクラックが発生した。 レジストを140℃でホットプレートによりプリベークしたところ、露光、現像後クラックが発生している。しかし、120℃のときには、クラックの発生は見られなかった。ホットプレートでは、レジストはウェーハとの接触面である底面から加熱され溶媒が蒸発し溶媒濃度が低下するためレジスト表面硬化層の形成が抑えられ、応力が低減されていることが原因と思われる。クラックは、いくつかの要因で発生すると思われるが、プリベークの方法、温度について検討した結果、ホットプレートを使用した120℃でのプリベークにより1.4μmの厚膜でクラックが入らないパターン形成を可能にした。
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Research Products
(1 results)