2016 Fiscal Year Annual Research Report
顔の近赤外線画像データと指先の血流動態情報を統合した情動検出手法の基礎的検討
Project/Area Number |
16H00385
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
髙橋 毅 秋田大学, 理工学研究科, 技術専門員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | マンマシンインタフェース / 近赤外画像 / 血流変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的および概要 : 人間の感情・情動の認識を可能とするマンマシンインタフェース技術は, ユーザにやさしい対話型インタフェースを提供する上で必要不可欠である。そこで本研究では, 画像情報などの非接触な手段を用いた情動検出に関する知見を得ることを目的とした。本年度は, 主に「喜び」の情動を対象に, 心情変化と血流動態変化の関連を調査し, 人体から得られる多種の情報を統合した情動検出手法の基礎的検討を行った。 ○実施内容ならびに研究成果 : ・データの取得 : 被験者に情動喚起映像を提示し、近赤外感度カメラ(Ximea XiQ ; 320×240画素 ; 60フレーム/秒)と近赤外帯域ロングパスフィルターを用いて顔画像データを取得した。また、株式会社徳のBscan-Zを用い血流の観測を行った。データ取得時には被験者に心理・体調状態アンケートを実施し、当日の心理・体調状態および喚起された情動の程度について調査を行った。 ・近赤外画像解析 : 近赤外カメラで取得した動画像に分割処理を施し時系列静止画像を生成した。両頬部および鼻部の3か所を対象領域として抽出し、近赤外データから得られた輝度情報の解析を行った。その結果、情動喚起前と喚起中の頬領域の輝度情報に差異を認めた。 ・血流観測 : Bscan-Zにより指先の血流画像を取得し、画像データを用いた血流情報の取得手法の検討および画像処理プログラム開発を行った。 ・各センサ情報の統合化に関する基礎検討 : 近赤外画像および血流の情報それぞれにおいて情動喚起時の変化が認められ、これらの情報を統合した情動検出の可能性に関する知見を得た。しかしながら、情動変化検出手法を構築するためには、①情動変化の特徴取得に適した近赤外波長帯域を明らかにすること、②情動変化に起因する血流情報等の詳細な解析など更なる検討が必要である。
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