2016 Fiscal Year Annual Research Report
流量変動パターンに基づく河川ハビタット空間構造の予測モデルの開発
Project/Area Number |
16H00400
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 真司 東北大学, 工学研究科, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | ハビタット構造 / 流量変動パターン / 水位変動パターン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 流量変動パターンからハビタット構造を予測するモデル式を作成し, ハビタット空間構造の多様度が高まる流量レジームを求めることを目的とした. ハビタット構造調査は平水時に行い, 流水型4類型(早瀬, 平瀬, トロ, 淵)と止水型3類型(砂州頭ワンド, 砂州尻ワンド, タマリ)の計7類型に分類した. 各地点の水文データは国土交通省が提供している水文水質データベースから入手した. 流量変動は強度, 頻度, 持続時間, タイミング及び変化率に着目して解析を行った. また, 水位変動についても同様の指標で評価を行った. 各ハビタットの平均面積割合は, 平瀬が最も高かった. 一方, タマリの平均面積割合は0.4%と最も低く, 止水生ハビタット全体の平均4.9%であり, 止水性ハビタットは河川空間においては非常に微小な空間であることが明らかとなった. 流量変動パラメータを独立変数, ハビタット空間構造指標を従属変数として回帰分析を行った結果, 複数の組み合わせで有意な相関関係が確認された. 流量の年間変動係数は, 止水性ハビタット密度と有意な正の相関を示し, 年間を通した流量変動の幅が大きいほど止水性ハビタットの出現率が高まる事が示唆された. また, 60日間の氾濫割合は, ハビタット構造多様度及び複雑度と負の相関を示し, 氾濫率が高い河川区間はハビタット構造が単調化する傾向が示唆された. 水位変動パラメータのうち, 冠水頻度を独立変数, ハビタット構造指標を従属変数として回帰分析を行った結果, 負の2次回帰曲線の関係が得られた. この結果から, 冠水頻度が中程度の時にハビタット多様度は最も高まる傾向が示唆された. 本研究の結果から, 流量変動パターンとハビタット構造の関係を明らかにすることが出来た.
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Research Products
(1 results)