Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 高校生と中学生が筆者のレゴマインドストームEV3を用いたロボット制御に関する授業を通して, プログラミングやロボットの機体製作で学び得た技術や知識の定着率をさらに高めるために, 小学生にマンツーマンで教える機会を準備し, その役割を担う高校生と中学生が, 「他者に教えることで, 知識定着率が向上する」といったアクティブ・ラーニングの学習手法を取り入れた結果, どのような教育効果が得られるかを検証することにある. 研究方法は, 科学教室を年2回実施. 高校生と中学生は, 一人1回を限度とし, 計70名が参加し, 小学生4年から6年生を対象に本校ホームページにて募集を募り, 先着70名が出席. 科学教室の内容は, ア)事前アンケート調査, イ)プログラミングの必要性と可能性(座学形式), ウ)プログラミングの基礎演習, GUIによるプログラミング実践, エ)レゴマインドストームEV3を用いたロボット製作, オ)製作したロボットをプログラミングによって自律制御させ, そのプログラムを動作確認し, カ)事後アンケート調査を実施した. なお, 上記におけるウ)からオ)に関しては, 高校生を中心に中学生と議論しながら, 学習指導案, パワーポイント原稿, 機体モデル, プログラミング内容について考案した. 研究成果としては, 高校生と中学生より, 1)ロボット制御に関する小学生向けの科学教室を高校生と中学生で設計し, 実践したことにより, 達成感の充実と知識定着率の向上, 2)ロボットとプログラミングを新たに考案し, もう一度科学教室に参加したという意欲の向上など, 参加した9割以上の生徒が実感を得るなど一定の教育効果が認められた. 一方, 参加した9割以上の小学生からも, 1)ロボットの機体製作とプログミラングに対する興味関心の向上, 2)次回も参加したいという意欲と高い満足度が得られた.
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