2016 Fiscal Year Annual Research Report
液体窒素に関する体験型教材と分散学習を併用した安全教育システムの開発
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16H00428
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
西岡 彩美 香川大学, 工学部, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 安全教育 / 体験型教材 / 分散学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
○研究目的 本学部では液体窒素の安全講習として、寒剤の性質や事故事例に関する講義、模擬実験(花の粉砕など)、汲出し作業の実技指導を行ってきた。しかしながら、学生の汲出し作業において液封によるインシデントが発生した。この原因を調査すると、「現象がなぜ起こったのか理解できない」、「パニックで対処が出来ない」などが明示された。そこで本研究は、物理現象の理解と冷静な判断能力の向上を意図とした体験型教材と分散学習を併用した新たな安全教育システムを開発する。 ○研究方法 体験型教材は、液体窒素を利用する際に注意すべき3点(破裂、窒息、凍傷)に着目して以下のような教材を作製した。破裂の実験は、ゴム風船を用いて液封状態を作り出し、気化による膨張および破裂を体感させた。窒息の実験は、実験室やエレベータに見立てたアクリルケースに酸素濃度計を設置し、液体窒素が漏出した場合の酸素濃度の低下を再現した。凍傷の実験は、生の鶏肉に軍手を被せて液体窒素を浴びせ、液体窒素が人体にどのように作用するのかを模擬的に体験させた。 分散学習は、液体窒素の危険性や作業手順について一時的な記憶ではなく、記憶を定着させることを意図して簡易に学習できる持続的なシステムを構築した。これは、学内LANを介してタブレットなどを用い手軽に実施可能とした。内容は択一式のテストとし、設定した問題から5問をランダムに出題した。4問以上の正答で合格とした。 ○研究成果 2016年12月に学部3年生42名を対象として体験型教材を用いた安全講習を行った。分散学習は講習の1週間後と3週間後(計2回)に実施した。テストの結果は1回目の平均点が4.90点、2回目が4.86点となり、全員が合格した。分散学習後の作業モニタリングにおいて現段階で問題は見受けられない。以上のことから、受講者は液体窒素の危険性への理解が深化したと考える。
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Research Products
(2 results)