2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H00471
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Research Institution | 東海大学海洋学部水産学科 |
Principal Investigator |
髙見 宗広 東海大学海洋学部水産学科, 海洋学部, 非常勤講師
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 深海底棲性魚類 / 魚類相 / 駿河湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年, 深海底棲性魚類は未利用資源の有効活用として食料利用等が活発に進んでいる. それら深海底棲性魚類のなかには未だ新種や日本初記録種が報告され, 分類学的知見が充実しているとは言い難い分類群も多い. また, 資源量が豊富で漁獲対象となりやすい深海底棲性魚類は類似種が多く, 漁業者や水産試験場の食品利用関係者には正確な同定が極めて困難である. そこで, 駿河湾の深海底棲性魚類, 特に有用深海底棲性魚類相に関する知見を充実させること, および種の特徴を拡大した写真を用いて簡易に同定できる小冊子を配布することによって, 利用者の分類学的知識の向上を図ることを目的とした. 駿河湾において, 釣り調査を13回(水深約200-1400m), 底曳網調査を5回(水深約250-550m), ビームトロール調査を23回(水深約500-2200m)実施した. その結果, 得られた深海底棲性魚類は, 23目66科112属155種あるいはタイプに識別された. これら分類群の285個体を用いて生鮮時の写真撮影を行い, その後10%ホルマリンで保存した. 撮影は, 全体の側面部のみでなく, 頭部や腹部など各分類群の同定に重要な部位でも行った. これらの写真を用いて, 最も多く収集できたソコダラ科(27種)において同定が容易となる冊子の原案を作成した. しかし, 駿河湾内でみられる種を十分に収集できたとは言えず, 今後も調査を継続し, 掲載種を増やし県の水産試験場や漁業者に配布する予定である.
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