2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H00499
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鐙屋 舞子 秋田大学, 医学部附属病院薬剤部, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | ニロチニブ / 個体間変動 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】慢性骨髄性白血病(CML)治療薬のニロチニブに関し、我々はこれまでに高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた血中濃度定量法を開発し、分子遺伝学的効果(MMR)達成に必要なトラフ濃度が約760ng/mLであることや、ニロチニブによる高ビリルビン血症がUDP-グルクロン酸転移酵素 ; UGT1A1の遺伝子多型の影響を受けることを見出した。その中で明らかとなったニロチニブ血中濃度の非常に大きな個体差に関し、本研究では個体間変動に影響を及ぼす要因を探索した。 【方法】本研究は秋田大学医学部倫理委員会の承認を得、ニロチニブ服用中のCML患者50名を対象とした。ニロチニブのトラフ濃度はHPLC定量法を用いて測定した。患者検体よりDNAを抽出し、各薬物代謝酵素やトランスポーターの遺伝子多型をPCR-RFLP法にて解析した。 【成果】ニロチニブの血中濃度に影響を及ぼす遺伝子多型(ABCG2(421C/A, 376C/T, 34G/A)、ABCC2(-24C/T)、ABCB1(1236C/T, 3435C/T, 2677G/T, A)、CYP3A5*3(6986A/G)、CYP3A4*1G(G/A)、UGT1A9(i399C/T)、UGTIA8(codon173C/G)、SLC22Al(rs1867351, rs683369, rs2282143, rs628031)、SLC22A2(-808G/T)、SLC22A3(rs509707, rs4709426, rs7745775, rs2292334)、NR1/2(7635A/G, 8055C/T))について多変量解析を行ったが、いずれも血中濃度の個体間変動の独立要因として特定されなかった。バイオアベイラビリティが約30%と非常に低いニロチニブにおいては、各症例の併用薬や嗜好品、食事と服薬のタイミングも考慮することが重要と考えられる。
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Research Products
(1 results)