2016 Fiscal Year Annual Research Report
神経障害性疼痛患者におけるプレガバリンの血中動態の個人差要因の解明
Project/Area Number |
16H00524
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
吉川 望美 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | プレガバリン / 神経障害性疼痛患者 / 血中動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
プレガバリンは神経障害性疼痛に用いられ、近年はがん性疼痛に対する処方頻度が増加している。プレガバリンは、腎機能に応じた投与量調節が添付文書に定められている。しかし、プレガバリンの効果及び有害作用の発現は、腎機能によらず個人差が大きいことがしばしば問題となる。現状としてプレガバリンについては、実臨床での血漿中濃度測定は行われておらず、腎機能以外に投与量調節の指標はない。プレガバリンは紫外吸収構造を持たないため、超高速液体クロマトグラフィー(UHPLC)を用いて測定するには、適切な試薬による誘導化が必要である。蛍光誘導化剤を用いた既報の測定法は、誘導化時間が約10~30分、測定時間が約5~20分と長時間を要し、ヒト血漿中プレガバリン濃度を迅速に測定する方法は未だ存在しない。そこで申請者は4-Fluoro-7-nitrobenzofurazan(NBD-F)を蛍光誘導化剤として用いて、ヒト血漿中プレガバリン濃度を簡便かつ迅速(誘導化時間1分、測定時間1.5分)に測定する方法を開発した。本研究で開発した血漿中プレガバリン濃度測定法は、神経障害性疼痛を有する患者への適用が可能であった。更に、神経障害性疼痛を有するがん患者および非がん患者への適用性とプレガバリンの血中動態の規定因子である腎機能との関係を評価した。がん患者および非がん患者における、体重あたりの投与量で補正した血漿中プレガバリン濃度は、腎機能によってそれぞれ43%、66%を説明可能であった。これらの患者における血漿中ブレガバリン濃度には個人差があり、腎機能だけではその個人差を十分に説明できないことが示された。今後はプレガバリンの血中動態に対する併用薬や病態の影響についても検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)