2016 Fiscal Year Annual Research Report
院内製剤アムビゾーム点眼の適正使用に向けた製剤学的研究
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16H00558
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
金 聖暎 岡山大学病院, 薬剤師
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | アムビゾーム / 点眼 / 院内製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
院内製剤アムビゾーム点眼の適正使用のための基盤データの構築を目的として、アムビゾーム点眼液の製剤の安定性について検討を行った。 リポゾーム化アムホテリシンB製剤であるアムビゾーム注射液を用いてA)5%ブドウ糖液を用いて調製した製剤、B)脂溶性点眼液の標準的な希釈液である滅菌オリブ油を用いて調製した製剤、2種類のアムビゾーム点眼液を調製した。 これら2種類の点眼液を冷暗所内に保管し、調製直後、1、2、3および4週後における安定性および有効性、無菌性を評価した。安定性の評価は高速液体クロマトグラフィーを用いてアムホテリシンBの残存率を評価した。有効性の評価には、穿孔平板法を用いた。5%ブドウ糖液を用いて希釈した製剤は均一な点眼液が得られたが、滅菌オリブ油を用いて調製した製剤は2層に分離した。いずれの製剤も調製後4週までアムホテリシンB含量の有意な低下は認められなかったが、滅菌オリブ油を用いて調製した製剤は成分量のばらつきが大きく、変動係数は調製4週後で24.8%であった。力価試験の結果、いずれの製剤も調製4週後まで有意な変動は認められなかった。 無菌性の評価は、各製剤を滴下したフィルターを液体培地に投入し、7日後の微生物繁殖の有無を評価した。いずれの製剤も調製後4週まで菌の発育は認められなかった。 以上より、アムビゾーム点眼液は、5%ブドウ糖液で調整し、冷暗所に保管で4週間は安定であることが明らかとなった。 今回明らかにした結果は、各施設間で均一な製剤の調製、市場医薬品のみでは治療が困難な患者の治療効果向上に大きく寄与する結果だと考えられる。 上述で得られた結果を、第26回日本医療薬学会年会(京都)で発表を行い、情報発信を行った。
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Research Products
(1 results)