2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H00610
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
木暮 陽介 順天堂大学, 放射線部, 診療放射線技師
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 放射線被ばく教育 / 小児頭部単純CT検査 / 被ばく線量管理ソフト |
Outline of Annual Research Achievements |
近年我が国では、画像検査利用の増加に伴って、医療被ばくに対する国や国民の意識が高まっている。一方で、放射線画像検査には明確な便益があるため、医療被ばくに対しては画一的な線量限度は設けられていない。そのため、個々の症例に柔軟に対応し、診断能を失わない範囲で、被ばく線量を最小限に抑えることが求められている。CT検査において、同じ検査部位であっても、検査の目的によって撮影プロトコルの内容は細かく異なり、被ばく線量も異なる。ところが検査を依頼する医師は通常、そのような撮影法の詳細には精通しておらず、時に、適切な理由を伴わずに被ばく線量の高い撮影プロトコルが要求されることがある。 本研究では被ばく線量管理ソフト(Dose Watch ; GEヘルスケア)の導入前後で、小児頭部単純CT検査の被ばく線量情報の提供・教育ならびに撮影プロトコル内容の最適化を行い、それぞれ連続30症例のCTDIvolとDLPの平均値を年齢毎に比較した。また、撮影プロトコル内容は、DRL's 2015の小児CT診断参考レベルの年齢区分(1歳未満、1~5歳、6~10歳)ならびに撮影方法(non-helical scan、helical scan、volumescan)をもとに最適化を行った。 導入前と比較し、被ばく線量情報の提供・教育ならびに撮影プロトコル内容の最適化を行ったことで、CTDIvo1、DLPともに約23%(1歳未満、1~5歳、6~10歳の3群の平均値)の被ばく線量の低減が図られた。また、導入後のCTDIvo1、DLPはDRL's 2015の75パーセンタイル値のそれぞれ約55%、約76%であった。 放射線被ばく教育と撮影プロトコルの最適化を行うことで、被ばく線量の低減化を実現できることを明らかにした。また、被ばく線量を管理する時に、被ばく線量管理ソフトを用いることは有用であった。
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Research Products
(1 results)