2016 Fiscal Year Annual Research Report
13・18トリソミー症候群の自然歴解明とそれに基づく診療健康管理指針の確立
Project/Area Number |
16H00629
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Research Institution | 長野県立こども病院 |
Principal Investigator |
西 恵理子 長野県立こども病院, 診療部遺伝科, 小児科医
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 13トリソミー症候群 / 18トリソミー症候群 / 健康管理指針 |
Outline of Annual Research Achievements |
13トリソミー(T13)症候群はかつて、18トリソミー(T18)症候群とともに、その生命予後の短さのため、蘇生や治療の制限が行われてきた歴史を持つが、臨床的多様性が判明してきたことや両親の意思決定を重視する小児医療の流れより、その治療のあり方は『子どもの最善の利益』を心がけるものへと変遷してきた。特にエビデンスの少ないT13児について治療・健康管理指針の構築を目的とし本研究を行った。 1、方法と結果 (1)県内唯一の小児病院という特色をいかし、標準的な新生児・小児医療管理を行ったT13児24例について、個々の合併症および医療的対応の詳細、生存期間や予後について診療録よりデータを収集し、評価した。呼吸管理や小児外科手術を制限せず適切に行うことで、過去の大規模調査の報告より1年生存率、生存期間の中央値ともに大幅に改善することがわかった。 (2)2016年8月に、県内のT13児を対象として家族会を開催した。家族間の情報共有など患者家族ヘピアカウンセリングの場を提供するとともに、診療録からの後方視的研究や通常の個別の外来診療では得難い、両親・兄弟の思い、家族と過ごす児の様子についての情報を収集した。 2、成果発表 (1)2016年米国人類遺伝学会学術集会で、T13児の健康管理において重要なことの一つである経口摂取に関して、気管切開を要する呼吸管理を要しているT13児においても、哺乳評価や嚥下造影といった経口摂取に関する的確な評価の上、発達に応じた経口摂取の継続的な取り組みが重要であることを発表した。 (2)また同学会において本研究にあたり、海外におけるT13、T18児について情報収集するとともに、同様の研究の世界的権威であり、米国の両症候群のサポートグループとも関わりの深いユタ大学小児科John Carey教授からも本研究および論文発表に関する示唆を得た。
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Research Products
(1 results)