2016 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症に対する高度医療管理機器セプザイリス症例の凝固線溶系モニターリングの確立
Project/Area Number |
16H00640
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
宗万 孝次 旭川医科大学病院, 手術部, 臨床工学技士
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | SF(可溶性フィブリンモノマー) / 回路内凝固予測因子 / 急性血液浄化療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 重症敗血症の致死率は高く様々な集中治療が行われている。2014年7月sepXiris(AN69ST膜)が発売され、重症敗血症及び敗血症性ショックを対象とした治験でもサイトカイン吸着能が認められている。そして、持続的血液浄化療法(CBP)では本邦で唯一の重症敗血症及び敗血症性ショックを適応とする特殊型が薬事承認された。本来、病態として凝固線溶系障害を有する敗血症患者において、未然に回路内凝固を予測し、防ぐ事は難しい。また、従来からCBPの抗凝固は、ACT・APTTなどを指標に行っているが、sepXirisの持つ陰性荷電から抗凝固薬として投与しているメシル酸ナファモスタット(NM)が吸着され、ACT・APTTなどを管理してもCBP回路凝固を防ぐことのできない症例を経験する。そこで、ACT・APTTに代わる新たな回路内凝固モニタリングとして可溶性フィブリンモノマー(SF)、トロンビンアンチトロンビン複合体(TAT)を測定し、回路内凝固の予測因子となりえるか研究を開始した。 【研究方法】 対象症例として敗血症及び凝固障害が疑われsepXiris-CHDF施行した症例を研究対象とし、残血評価不能症例等の除外症例を除き、48件10症例とした。高度凝固群(80%以上)と非凝固群(80%以下)の2群間に分け、回路内凝固予測因子について比較検討した。 【研究結果】 高度凝固群においてSFが有意に(p=0.0411)高値を示す結果となった。このことから、SFは回路内凝固予測因子としての可能性が示唆された。TATに関しては本研究においては有意なデータを示すことはできなかったが、高度凝固群において高値を示す傾向が得られた。さらに症例数を重ねることで、TATは回路内凝固予測因子の可能性を秘めていると考えられた。
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