2016 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄異形成症候群の形態学的異形成をフローサイトメトリー検査で捉える試み
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16H00706
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本村 裕実子 長崎大学, 病院, 技術職員
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 骨髄異形成症候群(MDS) / 表面マーカー検査 / CD10 |
Outline of Annual Research Achievements |
① MDSにおける表面マーカー検査においては、芽球細胞の増加、幹細胞マーカー発現、aberrantな抗原発現などからMDS診断の補助的検査として利用されているが、通常は芽球領域をゲーティングしており、成熟好中球領域を評価したものは少ない。 ② そこで、本研究では顆粒球系の異形成と抗原発現パターンの関連性を評価するために、MDSと確定診断された症例において、成熟好中球領域における抗原発現を検証し、MDS成熟好中球の特徴を検討した。 ③ 本院検査部において2015年1月~2015年12月までのFCM検査依頼を受けたMDS(12例)と、非腫瘍疾患(二次性血球減少症、再生不良性貧血、発作性血色素尿症)(10例)の抗原発現を検討した。 ④ CD45/SSCサイトグラムから成熟好中球領域をゲーティングし、顆粒球系マーカーとされているCD13, CD33, CD15, CD11bおよびCD10(Bリンパ球前駆マーカーであるが成熟好中球にも発現)の陽性率および蛍光強度(RFI : Relative Fluorescence Intensity)を解析した。 ⑤ MDSの陽性率パターンはCD13, 33, 15, 11b, 10において一定の抗原発現パターンをとる傾向にあった。特にCD10(低値)、CD33(高値)であった。またMDSのRFI値は、CD15で特徴的に高値を示す症例が多く、特に高値を示した2例はRAEB-2の芽球の増加を示す例であり、予後不良や進展との関連性も示唆された。 ⑥ 我々の検討ではMDSのCD10の発現は低値傾向を示した。またCD33の骨髄性抗原が高値を示し、これらは一定のパターンを示した。これらの知見は、芽球増加が見られないLow risk MDSの診断の一助になり得ることが示唆された。 ⑦ これらの成果は現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)