2016 Fiscal Year Annual Research Report
慢性痛を有する高齢者に対する新たな介護予防プログラムの開発に向けた調査研究
Project/Area Number |
16H00723
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平瀬 達哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), プロジェクト助教
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Project Period (FY) |
2016
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Keywords | 高齢者 / 慢性痛 / 介護予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 地域在住高齢者の慢性痛発生に影響する要因を運動機能・精神心理面・身体活動量の視点から横断的に検証し, 新たな介護予防プログラムの開発に必要な基礎データベースを構築することを目的とした。 対象は, 介護予防事業に参加した65歳以上の地域在住高齢者174名(平均80.3歳)で, これらの対象者の中で痛みの程度がNRSで5以上かつその持続期間が6ヶ月以上の者を慢性痛群(83名), これ以外の者を非慢性痛群(91名)に分類した。そして, 全対象者に対して運動機能(椅子起立時間, TUG), 精神心理面(老年期うつ評価尺度(GDS-15), 痛みの破局的思考(PCS), 唾液アミラーゼ活性, ライフコーダGS(Suzuken社製)を用いた身体活動量の評価を実施し, 身体活動量については1週間の平均歩数と低強度(1~3Mets), 中等度(4~6Mets), 高強度(7~9Mets)の各運動強度における平均活動時間を算出した。分析は, 慢性痛群と非慢性痛群の2群で各指標を比較し, その後, 従属変数に慢性痛の有無, 独立変数には群間比較で有意差を認めた指標を投入したロジスティック回帰分析を行った。 群間比較の結果, 慢性痛群は非慢性痛群に比べ体重とPCSが有意に高値であり, 中等度活動時間が有意に低値であった。ロジスティック回帰分析では, PCSと中等度活動時間が抽出された。 今回の結果から, 地域在住高齢者の慢性痛には痛みの破局的思考の強さと中等度の活動時間が最も影響することが明らかとなり, 痛みの捉え方を修正し, 身体活動量の向上を図る介入の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)