2016 Fiscal Year Annual Research Report
肺炎患者と健常高齢者における嚥下機能と呼吸機能の関連
Project/Area Number |
16H00728
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
酒井 康成 信州大学, 医学部附属病院, 技術職員
|
Project Period (FY) |
2016
|
Keywords | 肺炎患者 / 嚥下機能 / 呼吸機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的 高齢者は加齢に伴い呼吸器系の機能低下を招き, 誤嚥性肺炎(Aspiration pneumonia : 以下AP)のような加齢に伴う気道防御反射の機能低下によって生ずる肺炎などに罹患しやすいと推察されている. また嚥下関連筋群の廃用・筋力低下による老人性嚥下障害(Presbyphagia), SarcopeniaにともなうSarcopenic dysphagiaを認めることから, 嚥下障害は健常高齢者の11.4-38%に発症するとされている. しかし肺炎患者と健常高齢者における嚥下機能と呼吸機能の特徴は明らかとなっていない. そこで本研究の目的は以下の2点からなり一点目は高齢肺炎患者の嚥下機能と呼吸機能の特徴を明らかとすること, 二点目は嚥下機能と呼吸機能の関係性を明らかとすることである. 研究方法 肺炎患者群については基本情報, 血液検査, 嚥下機能検査, 呼吸機能検査, ADL評価を行った. コントロール群である健常高齢者は地域在住健常高齢者とし嚥下機能検査及び呼吸機能検査を行った. 2群間の嚥下機能と呼吸機能及び背景因子の比較及び嚥下機能と呼吸機能の相関関係を調査した. 研究成果 2群間の比較では呼吸機能である呼吸数, 一回換気量, %肺活量, 1秒率, 努力性肺活量, 咳嗽力, 嚥下機能であるFEESに有意差を認めた. また, 呼吸機能の部分的要因である呼吸数と一回換気量及び咳嗽力と嚥下機能(FEES)に相関を認めた. 肺炎患者と健常高齢者の呼吸数, 一回換気量および咳嗽力に有意差を認めたことから, これらの呼吸機能が嚥下障害と関連性が強く臨床的に活用しやすい指標になることが示唆された. よって高齢肺炎患者の嚥下機能(FEES)と呼吸機能(呼吸数, 一回換気量, 咳嗽力)は健常高齢者と比較し低下していることが明らかとなった. また嚥下機能と呼吸機能は相関関係にあることが明らかとなった.
|
Research Products
(1 results)