2016 Fiscal Year Annual Research Report
超人スポーツのための個人別環境身体ダイナミクス同定技術と身体能力拡張技術の研究
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16H01741
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
持丸 正明 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究部門長 (90358169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲見 昌彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00345117)
野嶋 琢也 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (10392870)
暦本 純一 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (20463896)
小池 英樹 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (70234664)
杉浦 裕太 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科(日吉), 特任助教 (40725967)
村井 昭彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (90637274)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超人スポーツ / ヒューマンインタフェース / インタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,幅広い身体特性の人が一緒にスポーツ参加できるシステム構築を目標として,環境と身体の相互作用である「環境身体ダイナミクス」を解明して運動・認識能力を拡張する技術の研究である.そのために,①運動計測・感覚刺激・コントロールシステムの開発,②超人スポーツ競技のルール策定,③超人スポーツにおけるヒトの運動解析技術を開発している.本年度は,これらを実験室環境で行うことを目標に研究を遂行した. ①として,運動計測としてボールカメラを開発し,様々な環境下で並進・回転するボールから撮影される映像をスタビライズする技術を開発した.また感覚刺激として,振動介入システムを開発し,身体上に配置した振動子を様々なパターンで振動させることで情報提示や無意識の運動変化を生じさせる技術を開発した.そしてコントロールシステムとして,ドローンウェアを開発し,高出力ドローンについて,アクチュエータの選定や制御実験を行った. また②として,超人スポーツ競技のルール策定のため,ARドッヂボールおよびスポーツ応援拡張技術の開発を行った.これは様々なレベルのプレイヤが参加するゲームにおいて同じレベルでプレイできるようルールの調整を行う枠組みとなり,身体環境ダイナミクスのコントロール則の決定に活用される. そして③として,デジタルアスリートモデルを構築した.ヒトの解剖学的形状にもとづいてボリューメトリック皮膚・筋骨格モデルを構築し,産総研で開発されるヒト中心設計のためのシミュレーション環境”DhaibaWorks”上でリアルタイムにヒトの運動の計測・解析・可視化を可能とした.またOpenSimとの連携により体性感覚情報推定を実現した.これは,運動・感覚能力拡張の際の感覚刺激と運動変容をつなぐモデルとして活用される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,①運動計測・感覚刺激・コントロールシステムの開発,②超人スポーツ競技のルール策定,③超人スポーツにおけるヒトの運動解析技術について,これらを実験室環境で行うことを目標とし,それらを遂行した.
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Strategy for Future Research Activity |
・超人スポーツ競技実現のための実フィールドデバイスの開発: 超人スポーツ競技において身体環境ダイナミクスをコントロールするためのデバイスを開発する.これらは①身体と環境のセンシング,②身体のコントロール,③環境のコントロールから構成される.①についてはカメラにより身体および環境を計測し,モデルフィッティングを行うことでロバストなセンシングを実現する.②については触覚刺激を用いることで安全な身体運動の変容を実現する.そして③については①の機能を満たしつつ可制御なデバイスを構築する.これにより,超人スポーツ競技のための可制御・可観測な身体環境ダイナミクスシステムを構築する. ・超人スポーツ競技実現のためのプレイおよび応援ルールの開発: 超人スポーツ競技において競技経験者,未経験者がともに同じレベルでプレイできるよう,またモチベーションをコントロールできるよう,ルールを設定する.身体および環境が可制御な場合のルールおよび身体環境ダイナミクスの制御ルールを開発する.またプレイレベルやプレイ内容に応じた応援システムを開発することで,両プレイヤの同様のモチベーション向上を実現する. ・超人スポーツ競技実現のためのデータベース構築: 身体環境ダイナミクスを解明し,同じレベルでプレイできるよう制御するモデルを構築するために,身体運動,接触力,デバイスの運動を同時に計測する実験環境を整備し,多面ディスプレイで提示する実試合の映像コンテンツを用意する.これにより,身体環境ダイナミクスのモデルを構築し,超人スポーツ競技における身体および環境のコントロールに役立てる.
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