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2016 Fiscal Year Annual Research Report

The study of Interactive Robot to be applied the master's skill of Classical puppet play Bunraku

Research Project

Project/Area Number 16H01804
Research InstitutionOsaka University of Arts

Principal Investigator

中川 志信  大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (00368557)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 尾本 章  九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (00233619)
川口 幸也  立教大学, 文学部, 教授 (30370141)
近藤 逸人  東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (40361802)
大須賀 公一  大阪大学, 工学研究科, 教授 (50191937)
山中 玲子  法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
蔡 東生  筑波大学, システム情報系, 准教授 (70202075)
川西 千弘  京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (70278547)
行実 洋一  実践女子大学, 生活科学部, 教授 (70287027)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2021-03-31
Keywordsロボット / 感情表現 / インタラクション / モーション / デザイン / 文楽 / サウンド / 総合芸術
Outline of Annual Research Achievements

平成28年度に実施した主な成果は、次の3点である。1、文楽人形遣いの芸(匠の技)である誇張した感情表現(骨格伸縮など)動作解析からロボットの突然変異になりうる新構造の抽出、2、文楽の芸のメカニズム解析(太夫、三味線、人形遣いらの共演データ取得実験)3、受容されるロボットの顔のデザイン研究。
1においては、先行研究の骨格伸縮構造に加え、人形遣いが女型文楽人形を操作する際の特異点を抽出できた。具体的には、人形遣い左腕の肘、手首、指先の3関節を駆使して、女型文楽人形の艶美で優雅かつ感情豊かな表現を演技していることを突き止めた。(ちなみに、男型文楽人形では指先の関節は使わないため直線的な動きになる。)この肘関節の動きは腰部回転や胴体伸縮になり、指先関節の多様な動きで頭部全般や伸縮も表現していた。手首関節の動きは主に肩の表現や上半身全般となる。
ここで重要なのが、手首関節と指先関節になる。これらを敢えて独立させ、異なる方向性の動きを取入れることで、文楽人形の表現を豊かにさせていた。例えば肩が右に下がると首も右に下がるところを左に下げたり、敢えて違和感を創ることで表現の豊かさに幅をもたせる匠の芸を発見できた。これらをロボットの構造に落し込むと、従来の人型ロボットにない胸部に3自由度を設ける新構造となった。この胸部3自由度は、首部3自由度とは独立した構造とし、文楽人形同様に連動させず違和感も創り出せる。さらに、女性特有のS字カーブの美しい身体ラインも容易に創造できるため有効であった。
さらに、ロボットの腕の構造においても、胴体から肘部にアームを出し、腕の動きを操作する新構造とした。この理由も、文楽人形同様に肩の動きを際立たせ、腕の伸縮をスムーズにするための工夫として、ロボットの肩関節を廃除した。このように従来の人型ロボットにない新構造を創造できたことが最大の成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

文楽人形の構造と動きのメカニズムのロボティクス領域における定量化・定式化研究において、本研究の採択予算から精査し、製作する検証実機も含めて上半身に特化した研究と設定した。さらにロボット実機の外装費も捻出できないため着物で対応する構想で進めている。
この上半身に焦点を絞った研究において、従来の人型ロボットにない胸の3自由度関節や、肩関節を廃除し胴体から肘部へのアームで腕を制御する新構造を創造できたことは大きな研究成果である。今後も試作を重ね、身長158cmの検証実験用人型ロボットを製作していく。
また、人形遣いの動き、太夫と三味線の音、顔(造形)も加えた文楽の芸のメカニズム解析のためモーションキャプチャなどでデータ取りは実施した。今後は、その動きのデータ解析から、上記新構造との関係性を精査し上質な設計にしていく。加えて、音と動きの関係性についてもデータ解析を行い、人型サービスロボットと人や環境との関係性において有効的に活用できる法則も明らかにしていく。最後にサービスロボットの観点から、ホテルマンの所作もデータ取りを行った。これらのデータ解析から、ロボットに適応できる「おもてなし動作」の法則も明らかにしていく。
さらに、顔のデザイン研究では、能学研究者、能面造型師、仮面などの民俗学研究者、女性顔の心理学研究者、メディア研究者と異分野からの意見交換を繰返し実施してきた。現状は方向性が拡散しているが、3方向に絞り仮説を立て、その検証モデルを製作し、上記実験用人型ロボットに装着して研究を深める計画である。

Strategy for Future Research Activity

平成29年度は、10月を目標に、検証実験用人型ロボットの1次試作を製作していく。その構造としては、頭部1自由度、首部3自由度+伸縮1自由度、胸部3自由度(4自由度になる可能性もある)、腕用アーム6自由度、胴体伸縮1自由度、腰部3自由度、膝部1自由度、足首部2自由度(3自由度になる可能性もある)、21自由度(23自由度)を想定している。
文楽の芸のメカニズム解析のためのデータ解析は遅れているが、10月に向けた検証実験用人型ロボット製作に反映したく善処していく。特に構造面で不備の無きよう精査していきたい。
さらに音の研究では、動きと音の関係性を明らかにしていく。これらの定理を確立した上で、音場をつくる装置とロボットの新たな関係性の研究へ発展していく。この音場装置が環境に多くのスピーカーを配置し、より臨場感を高める効果がある。今後ロボットはソーシャルネットワークの仲介機能を期待されるため、ロボット本体にスピーカー機能を要せず、環境に配備されたスピーカーや人が傾向する携帯端末などのスピーカーを有効活用する。これらの背景からも、ロボットの環境から音が発生する構想を具体化し、その時のロボットの感じ方やあり方の研究も進めていく。
最後にロボットの顔デザイン研究では、6月に大きな3つの方向を確定し、それらの検証試作を製作、10月完成予定の検証実験用人型ロボットに装着して、実寸サイズで動きを伴った検証実験で精査していく。この実験後、新たに仮説をつくり検証試作を製作、翌年の2月には1つの研究成果を確立する構想である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 欧州と日本で受容されるロボットデザイン2016

    • Author(s)
      中川志信
    • Organizer
      日本顔学会
    • Place of Presentation
      東京芸術大学
    • Year and Date
      2016-11-19 – 2016-11-20
  • [Presentation] 骨格伸縮ロボットの全身協調動作による感情表現が人に与える印象度評価2016

    • Author(s)
      中川志信
    • Organizer
      バイオメカニズム学会
    • Place of Presentation
      富山大学
    • Year and Date
      2016-11-12 – 2016-11-13
  • [Presentation] 骨格伸縮ロボットの全身協調動作による感情表現が人に与える印象度評価2016

    • Author(s)
      中川志信
    • Organizer
      日本ロボット学会
    • Place of Presentation
      山形大学
    • Year and Date
      2016-09-07 – 2016-09-09

URL: 

Published: 2021-01-27  

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