2019 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメード教育開発を支援するための学習者の読解認知特性診断テストの開発
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16H01819
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
新井 紀子 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 教授 (40264931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
影浦 峡 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (00211152)
菅原 真悟 国立情報学研究所, 社会共有知研究センター, 特任研究員 (00745052)
松崎 拓也 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 准教授 (40463872)
犬塚 美輪 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50572880)
尾崎 幸謙 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (50574612)
登藤 直弥 筑波大学, 人間系, 助教 (70773711)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | テスト理論 / 読解力 / reading |
Outline of Annual Research Achievements |
科目や分野によらない汎用的な読解力を短時間かつ高い精度で推定するリーディングスキルテストについて引き続き研究開発を続けている。リーディングスキルテストβ版については、そのアイデア等を論文や口頭発表、書籍等で公開した上で、一般社団法人「教育のための科学研究所」に移転し、リーディングスキルテストとして社会実装された。令和元年度末までで(リーディングスキルテストβ版と合わせて)のべ20万人以上が本テストを受検した。 これまでの知見を2冊の書籍として出版した。 少ないサンプルで問題の難易度を推定する方法や、より少ない問題数で高い精度で汎用的読解力を推定する方法等について、テスト理論の観点から尾崎・登藤らが検討を行った。 板橋区および戸田市と連携し、汎用的読解力を児童・生徒に身に着けさせるための授業や学習支援についての検討を行っている。特に板橋区においては、「読み解く力の育成」として、板橋第一中学校に入学する小学校を含めた「学びのエリア」を指定し、その中で、学年進行に応じて、どのような汎用的読解力をどのような授業や支援で身に着けさせるかについての検討を行っている。板橋区と連携して行った研究授業および研究会は計5回である。 加えて、検定教科書に関する計量国語学的観点からの分析を進め、小学校と中学校の教科書において記述方法にこれまで発見されていなかった量的なギャップがあることを発見し、査読付き論文および国際会議プロシーディングスで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、最終年度後にリーディングスキルテストを社会実装する予定であったが、既に社会実装を済ませており、受検者がのべ20万人(小学6年生から社会人まで)を超えたこと。当初想定していなかった、より短時間で高精度で汎用的読解力を推定する方法論を発見したこと。また、板橋区において3年計画での縦断調査(対象1万人以上)を実施できていること。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染拡大を阻止するために行われた、過去に例のない長期休校が小中学生に与える影響について調査を行う。特に、汎用的読解力など基本的な学ぶスキルの低下や格差が生じていないか、もし低下や格差が生じていたならば、それは学校再開によって挽回できたかなどを調査し、学習支援の考案に活かす。 また、研究着手時点で想定する以上に高校生の汎用的読解力が低いことが判明した。このことが、大学生の学びを困難にし、リメディアル教育が必要になっていると想定される。そのため、高校生を対象としたリテラシーを測るテストを考案する必要を感じており、そのプロトタイプの試作にも合わせて取り組む。
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Research Products
(9 results)