2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a new research base of cultural properties based on utilization of 3D data centered on X-ray CT
| Project/Area Number |
16H01828
|
|---|
| Research Institution | Nara University |
|---|
Principal Investigator |
今津 節生 奈良大学, 文学部, 教授 (50250379)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 要一 奈良大学, その他部局等, 名誉教授 (00090936)
楠井 隆志 福岡県立アジア文化交流センター, その他部局等, 課長 (30446885)
杉山 淳司 京都大学, 生存圏研究所, 教授 (40183842)
井手 亜里 京都大学, 工学研究科, 教授 (50232939)
鳥越 俊行 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (80416560)
成瀬 正和 東北芸術工科大学, 文化財保存修復研究センター, 客員教授 (90778630)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | X線CTスキャナ / 3D計測技術 / 文化愛の健康診断 / 3Dプリンタ / デジタル・データ ミュージアム |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
医療用X線CTを使って開始されたわが国の文化財の研究は、いまや文化財の科学的な調査研究にとって不可欠な存在になっている。特に、本研究で進めたX線CTを用いた文化財の調査研究は、文化財の保存・活用・教育を目的とした博物館の重要性を更に高めることが期待できる。CTデータは文化財の健康診断をはじめ、保存修復・運搬・防犯・防災などの基礎情報として役立つ。また、博物館の展示や学校教育への活用などに幅広く役立つ。さらに、CTデータの活用の可能性は多方面に広がっている。
本研究から発展した成果は多方面におよぶ。たとえば、人工知能（AI）を使って仏像の樹種を推定する技術はすでに実用化の段階にある。近い将来には修復の専門家の知見もAIが学習して破損箇所や破損箇所を自動で検索することも、仏像や工芸品に使われた木材の年輪を解析して年輪年代を測定することも可能になる。さらに、3Dデータから耐久性のある陶質の複製を作って、遺跡や社寺など元々文化財が置かれた環境の中で復元展示することによって、周囲の環境も含めて“永く伝えられてきた本来の風景を蘇らせる”ことも可能になる。文化財の3Dデータの活用は研究資料や博物館だけにとどまらず、やがて映像や観光や地域の町おこしにも役立つ日が近いことを期待したい。
本年度は研究の最終年度として、研究成果のまとめや研究成果の公開を重視した。特に保存にかかる基礎情報として文化財の健康診断を重視した。阿修羅像をはじめとする興福寺乾漆像の研究について、700頁におよぶ研究報告書をまとめた。また、研究成果の発表として、一般市民を対象に法相宗大本山興福寺および朝日新聞・中国新聞と共同して『中金堂再興記念 阿修羅シンポジウム』を広島市で開催した。また、文化財研究の専門家を対象として、日本文化財科学会と共催して、『3Dデータを活用した文化財研究の可能性』と題する講演会を開催した。
|
| Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
|
