2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Comprehensive Study on the Culture and History of Buddhism in the Kawachi Region
Project/Area Number |
16H01916
|
Research Institution | Kyoto National Museum |
Principal Investigator |
佐々木 丞平 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, その他部局等, 館長 (20144313)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末兼 俊彦 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 研究員 (20594047)
伊藤 嘉章 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, その他部局等, 副館長 (80213099)
井並 林太郎 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部企画室, 研究員 (80747329)
大原 嘉豊 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 室長 (90324699)
降矢 哲男 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部工芸室, 研究員 (10747330)
淺湫 毅 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部連携協力室, 室長 (10249914)
羽田 聡 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 主任研究員 (30342968)
福士 雄也 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部美術室, 研究員 (50747334)
池田 素子 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部列品管理室, アソシエートフェロー (70573179)
呉 孟晋 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部列品管理室, 主任研究員 (50567922)
浅見 龍介 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 課長 (30270416)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 河内長野 / 仏教文化 / 仏教美術 |
Outline of Annual Research Achievements |
河内地域の仏教文化と歴史に関する調査について、4年計画の初年度である平成28年度は、河内地域の中心的な寺院のひとつである、河内長野市・金剛寺において悉皆調査を行った。金剛寺は、奈良時代の天平年間に開山されたといわれ、平安時代、真言密教の隆盛を受けて、平安時代後半には高野山から阿観上人が入山し、現在の金堂、多宝塔、食堂などといった、伽藍配置の基礎を築いたといわれる寺院である。金剛寺では、これまでも膨大な経典や聖教の調査を、京都国立博物館の研究員が十数年に渡り、進めてきていることや、金剛寺を特集した展覧会を開催するなど、所蔵する文化財の一部の調査を行ってきており、今回の調査では、本調査、補足調査をあわせ、計三週間にわたる調査を行い、金剛寺本坊および宝物館に管理されている彫刻、絵画、工芸、歴史資料などの文化財に関して、おおよその調査を完了し、報告書刊行に向けての調書、および写真撮影をほぼ終了することができた。 今後、調書や写真等のデータ整理が必要ではあるものの、これまでその詳細が明らかではなかった金剛寺の文化財の状況を明らかにできたことは、当該地域の仏教美術、仏教文化を学術的に解明していく上での基礎資料となることは間違いなく、本研究課題を進めていく上でも重要性があるといえる。 加えて、河内地域の歴史的な文献資料や関連する書籍などを収集し、先行研究をあらためて確認するとともに、調査成果を分析するための基礎作業を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、初年度に河内地域の複数寺院を調査する計画ではあったが、今年度の調査は金剛寺のみにとどまった。その理由としては、金剛寺が所蔵する文化財が、事前に予想していた点数よりもはるかに多く存在していたことが、調査を進めていく段階で明らかとなってきたことが挙げられる。また、これまでほとんど取り上げられることのなかった、金剛寺の吉祥院、摩尼院といった子院に所在する文化財も多数存在することが、今回の調査で分かってきた。一部子院の調査は、すでに進めてはいるが、金剛寺山内全体として文化財を把握する上でも、来年度以降に子院の調査をさらに行う必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
金剛寺の調査において、予想以上の文化財が存在していたことにより、研究計画段階のスケジュールにやや遅れがみられるが、金剛寺全体の悉皆調査を行うことによって、河内地域の仏教文化を探る上でも重要な知見を得られることが期待できるため、まずは、引き続き金剛寺の調査を行いたい。それと同時に金剛寺と並び、河内地域を代表する河内長野市の観心寺の調査を合わせて進めていく計画である。それに加えて、彫刻、絵画、書跡、工芸といった分野毎の調査も八尾市の教興寺をはじめとする複数社寺で行う予定である。 また、三年目以降に、計画段階にで列挙している寺院について、文献資料等を用い、博物館施設等に寄託されている作品を含め、所蔵する文化財の状況の把握を行い、より効率的な調査を行えるよう検討を行う。
|
Research Products
(2 results)