2018 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism and its developmenet of monetary and circulative system in the Western part of Eurasia in pre-modern times
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16H01953
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鶴島 博和 熊本大学, 大学院教育学研究科, 名誉教授 (20188642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻木 晋一 下関市立大学, 経済学部, 教授 (00259681)
亀谷 学 弘前大学, 人文社会科学部, 講師 (00586159)
菊池 雄太 立教大学, 経済学部, 准教授 (00735566)
城戸 照子 大分大学, 経済学部, 教授 (10212169)
西村 道也 福岡大学, 経済学部, 講師 (10599814)
新井 由紀夫 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (30193056)
徳橋 曜 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (30242473)
図師 宣忠 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (60515352)
阿部 俊大 同志社大学, 文学部, 准教授 (60635788)
西岡 健司 大手前大学, 総合文化学部, 准教授 (70580439)
名城 邦夫 名古屋学院大学, 経済学部, 名誉教授 (90097684)
山田 雅彦 京都女子大学, 文学部, 教授 (90202382)
安木 新一郎 京都経済短期大学, 経営情報学科, 准教授 (40586012)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Moneyer / Money / Circulation / Western Eurasia / Silver / Medieval |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 2018年5月20日日本西洋史学会(広島大学)でDr David Roffeを招聘してDomesday Moneyersと題する研究報告、5月24日熊本大学においてThe Domesday Text Projectという講義を行った。 2. 9月2日から8日までは、熊本大学と同志社大学においてThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018を開催した。報告者は地中海世界のイスラーム貨幣に関してはスペインの大学からProf. F. M.atima Escudero, Prof. Alberto Canto, Carolina Domenech Belda 、Prof. W. Schultz、と科研メンバーの亀谷学が、世界のキリスト教世界に関してはイギリスからDr William Day , Dr Adrian Popescuが、スペインからはProf. D.Carvajal de laと Vega Dr Albert Estrada-Riusが、そして科研メンバーの阿部俊大が行った。議論は、多岐にわたり、とくに少額銀貨の流通に関して有意義な知見をえた。スペイン貨幣史研究の指導的研究者である Prof. Alberto Cantoからはこれまで経験したシンポジウムの中で最良のものの一つであるという評価を得ている。これらの報告内容に関しては報告書(2029 for 2018)に収録する予定。 3.熊本地震で出土した益城町出土の古銭を地元の協力を得て分析し報告書を出版した。研究を地域に貢献することができた。 4.2019年1月23日から2月10日まで鶴島がイタリアでProf. Andrea Saccocci, Prof. Monica Baldassariと研究打ち合わせを行い本年度のシンポジムに関する意見交換を行った。オックスフォード大学でZomiaに関する研究会に招待されて貨幣史から見たイングランドの無統治地域についての報告を行った。3月28日は今年度まとめの研究集会を行い、29日にドイツとバルト海の交易と貨幣についてProf. Michael Northと研究打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9月2日から8日熊本大学と同志社大学において1催したThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018では、少額銀貨とその流通に有益な知見を得ることができた。昨年度は西ユーラシアの中世貨幣史研究に欠かすことのできないイスラーム圏の研究に大きな進展が見えたことは、順調な進展の指標であろう。また、将来的に研究を東アジアも含めたグローバルな展開を目指している本科研にとって2016年4月の熊本地震で発見された益城町木山砥川の16000枚を超える銅貨と鉄貨を科研メンバーの櫻木晋一を中心にして分析し、報告書を作成できたことは文化財保護の観点からも有益な成果であった。また、今回新たにスペインとアメリカの6人の指導的な研究者と連携を組みワークショップとシンポジウムを開催できたこと、2019年の1月にはイタリアのモニカ・バルダッサーリ教授とアンドレア・サコッチ教授と、3月にはこれまたドイツのバルト海交易と貨幣史のマイケル・ノルト教授と議論を交わし研究連携の土台を作ることができた。 一方で、9月の突然の台風で関西国際空港が使用できなくなり、招聘した8人の海外研究者のうち6人に別手当が必要となり、予算が大幅に狂ってしまい印刷手前だった2018年度の報告書やホームページが作成できないという事態に至ったことは、事故とは故、研究成果を公開するという観点から残念な事態である。さらに、科研メンバーで大学の要職に就くものが出たこともあり、P. Spuffordの教科書的な労作の翻訳が遅れていることも計画以上にとは評価できない理由となる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)5月19日の静岡大学での日本西洋史学会で「中世ヨーロッパにおけるデナリウス銀貨の世界―社会が求め、社会が作り出せる貨幣の形―」と題して、城戸、山田、徳橋、菊池・櫻木の科研メンバーによる「まとめ(I)」のミニシンポを開催する。 (2)7月4日のリーズ大学で開催される国際中世学会( International Medieval Congress)で二つのセッション(1152,1652)を運営して、図師、阿部、亀谷、梁川、西岡、成川、梁川、Day(後ろ三名は研究協力者)による「まとめ(II)」の成果報告を追うこなう。 (3)鶴島、フランス、スペイン、ポルトガル、ベルギー、ドイツの各大学の研究者と研究打ち合わせを行う。 (4)9月3日から5日まで立教大学において、Dr Rory Naismith (London University), Dr Elina Screen( Oxford University), Dr Marek Jankowiak(Oxford, University), Dr Werner Schelcjens (LeipzigUniversity), Prof. Michael Northらを報告者とする「海峡、北海、バルト海、東欧、ロシア、イスラーム」という第1の柱と、Prof. Alberto Canto, Prof. Monica Baldassari, Prof Andrea Saccocci, Dr William Day, Dr Adrian Popescuらを報告者とする「地中海世界とイスラーム」という第2の柱を立てて、本科研の「まとめ(III)」とする。 (5)これらのまとめと、過去3年間の研究成果を総括した書籍をBritish Archaeological Reportとして出版の準備には入り、全ユーラシアレベルでの研究準備に入る。
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Research Products
(29 results)