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2018 Fiscal Year Annual Research Report

Comprehensive study of history of leagal Influence between Japan and Germany and formation of modern Japanese Law

Research Project

Project/Area Number 16H01975
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

大中 有信  同志社大学, 司法研究科, 教授 (60288975)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 守矢 健一  大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (00295677)
小沢 奈々  横浜国立大学, 教育学部, 准教授 (00752023)
MARUTSCHKE H・P.  同志社大学, 司法研究科, 教授 (30388061)
初宿 正典  公益財団法人日独文化研究所, その他部局等, 評議員 (40024088)
高橋 裕  神戸大学, 法学研究科, 教授 (40282587)
伊藤 孝夫  京都大学, 法学研究科, 教授 (50213046)
高橋 直人  立命館大学, 法学部, 教授 (50368015)
松本 博之  同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (70047380)
林 真貴子  近畿大学, 法学部, 教授 (70294006)
遠山 純弘  法政大学, 法務研究科, 教授 (70305895)
小野 博司  神戸大学, 法学研究科, 准教授 (70460996)
石部 雅亮  同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (90046970)
Project Period (FY) 2016-04-01 – 2020-03-31
Keywords日独法学交渉史 / 法制史 / ドイツ法
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は,ドイツのフランクフルト・マックスプランクヨーロッパ法史研究所と協力して,戦災のため資料の喪失が疑われ懸案であったライプツィヒ大学における日本人留学生の詳細な資料を入手することができた。また,最高裁判所図書館に保管されていた大審院長であった司法官富谷鉎太郎の日記(明治19年から昭和8年)を新たに発見し,これをデジタル画像化した。さらに,イギリス・ダレム大学が所蔵する,戦前のベルリン在独日本大使館関係の文書を発見し,これらについても記録に収めた。
以上の記録を整理,分析することに務めるとともに,この分析をもとに世界恐慌から戦間期にかけての日本の法学理論とドイツとの関係に関する理論的検討を精力的におこなうとともに,新たに入手した資料によって明治期における日独法学交渉史の新たな側面,とりわけ実務法曹におけるドイツ法の継受とその変容の問題についてもこれまでの分析結果を再検討する作業を開始した。特に富谷は極めて長い期間にわたってわが国の裁判実務をリードする地位にあったことから,彼のドイツ留学から死に至るまでの膨大な日記の記載によって日本の司法史の実証的研究に新局面を開く可能性があり,この活字化に着手し,あわせて主要な時期の日記の解読を急いでいる。
また,戦時下を含む長い期間にわたる,ベルリン大使館の文書はこれまでほとんど検討されてこなかったものであり,法学者の手稿等も含まれていることから,この整理と検討にも鋭意取り組んでいるところである。
こうした成果は,2019年度中には,まとまった形で公表することを予定しており,またドイツにおいてシンポジウムを開催し,理論的な検討を加える予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

ドイツ,スイスにおける日本人留学生の記録はほぼ収集できたが,さらに現在は,留学生の聴講記録を完全なものとすべく,関係各機関と連携し収集にあたっているところである。これに加え,これまでほとんど検討されてこなかった,最高裁判所の保管する膨大な量の富谷鉎太郎関係文書を新たに発見し,この解読と分析に現在注力している。これによって,日本司法史の新たな側面とドイツからの実務法学の影響と日本におけるその変容に新しい光を当てることができるものと確信している。
また,ダレム大学の在独日本大使館関係文書もその存在自体これまで知られていなかったものであり,この資料の発見もわが国の日独法学交渉史のみならず,外交史,一般日本史学にとっても大きな意味を持ちうる可能性がある。現在のところ,その全体像を解明するに至っていないが,この資料を分析することで明治期から第二次大戦期までのドイツに対する日本の関わり方の新たな側面を実証的に解析することができるものと確信している。さらにこれまで知られていなかった日本人の法学に関するドイツにおける博士論文も相当数集まっており,これらについてのドイツ側の評価を綿密に分析しているところである。
以上二つのまとまった新資料は,従来の研究ではいずれも参照されてこなかったものであり,研究計画の策定にあたっても考慮していなかったが,この発見によって本研究課題は当初の予想をはるかに超える成果を上げることができるものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

今後は,現在入手できた資料の分析に基づき新たに考察を加えることで,日独法学交渉史の全体像を描き出すことが必要である。そこで,考察の内容を他の研究機関,特にフランクフルトのマックスプランク・ヨーロッパ法史研究所の研究プロジェクトと協力することで,ドイツ側の法学理論と実務の動きと日本側の動きをすりあわせるための意見交換の場を設定し,相互作用がどのような形で生じたかを検討したい。
加えて,この研究プロジェクトによって新たに発見した膨大な資料の分析と整理をおこないたい。富谷鉎太郎関係文書,ダレム大学の所蔵する在独大使関係文書及び新たに発見した博士論文とその評価報告書は,極めて多数のしかも解読が困難な資料であるが,第一級の一次資料であり,これを整理し,公衆に利用可能な形で公開し,その内容について理論的な検討を加えることは,わが国の日独法学交渉の歴史を読み解く上で,極めて重要な課題であると考えられることから,研究期間の延長も含めて,慎重に検討し,また現時点で解析できた部分について理論的検討を加えてその成果を公表する方針である。

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Published: 2019-12-27  

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