2016 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの貧困に関する総合的研究:貧困の世代的再生産の過程・構造の分析を通して
Project/Area Number |
16H02047
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 伊智朗 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (20199863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯澤 直美 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (00277659)
蓑輪 明子 名城大学, 経済学部, 助教 (10613507)
丸山 里美 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (20584098)
岩田 美香 法政大学, 現代福祉学部, 教授 (30305924)
大澤 亜里 札幌大谷大学短期大学部, 保育科, 講師 (30760227)
鳥山 まどか 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (40459962)
佐々木 宏 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50322780)
杉田 真衣 首都大学東京, 人文科学研究科, 准教授 (50532321)
山野 良一 名寄市立大学, 保健福祉学部, 教授 (50618600)
田中 智子 佛教大学, 社会福祉学部, 准教授 (60413415)
藤原 千沙 法政大学, 大原社会問題研究所, 教授 (70302049)
吉中 季子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (70434800)
福間 麻紀 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70581867)
大澤 真平 札幌学院大学, 人文学部, 准教授 (70598549)
藤原 里佐 北星学園大学短期大学部, 短期大学部, 教授 (80341684)
川田 学 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (80403765)
谷口 由希子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 准教授 (80449470)
中澤 香織 旭川大学, 保健福祉学部, 教授 (80640474)
山内 太郎 札幌国際大学短期大学部, 幼児教育保育学科, 講師 (90369223)
新藤 こずえ 立正大学, 社会福祉学部, 専任講師 (90433391)
小西 祐馬 長崎大学, 教育学部, 准教授 (90433458)
加藤 佳代 (鈴木佳代) 愛知学院大学, 総合政策学部, 講師 (90624346) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子どもの貧困 / 貧困 / 家族 / 貧困の世代的再生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、貧困の世代的再生産の過程と構造についての理論的、実証的研究を通して、子どもの貧困の現代的特質を明らかにすると同時に、政策的介入と支援のあり方を検討することである。そのために、A地域社会調査(A1:家族・乳幼児調査、A2:若者・学校調査)、B女性の貧困調査、C社会的養護調査、D貧困意識調査、E研究史の整理と理論的検討、といった研究課題とそれに対応する研究班を組織した。研究課題ごとの主な進捗は以下である。
A地域社会調査:地域社会調査班は子ども・家族の貧困をテーマに大規模な調査を行った。調査実施企画と調査票の設計を経て(5月~9月)、ほぼ全道を代表しうる12市町村において、小2、小5、中2、高2の子どもと保護者(小2は保護者のみ)合計約1万9千名を対象としたアンケート調査を実施し(11月~12月)、回答のあった1万4千名分のデータ入力作業を行い(12月から3月)、単純集計を行った。なお、計画段階のA1班とA2班を統合し、合同で作業を行った。 B女性の貧困調査は:子どもの貧困とジェンダーに関する研究会を開催した。調査の実施には至らなかったが、これまでの研究会成果を出版するメドがたった。C社会的養護調査:研究会を数回開催し、社会的養護下で育った若者へのインタビュー調査の枠組みを設定、予備調査を開始した。D貧困意識調査、E研究史整理と理論的検討:それぞれ研究会の開催等には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A地域社会調査は、当初の計画以上に進展している。実施予定であった子ども・家族の貧困調査が、当初の予定であった旭川市のみならず、それ以外にあわせて12市町村で行うことが可能になった。データ入力等の費用が当初の予算規模を超え、2017年度以降の補助金から前倒しの使用を行わざるを得なかったが、大規模調査が実施できたことによって、地域社会における子どもの貧困と家族の生活様式の把握と分析をより構造的に行うことが可能となった。 C社会的養護班は、当初の予定通り研究会を重ね、本格的な調査実施には至らなかったものの、予備調査の段階まで進めていることから、おおむね順調に進展しているといえる。 B女性の貧困調査は今のところ研究会段階にとどまり、やや遅れているといえる。D貧困意識調査、E研究史はそれぞれ遅れているといえる。 上記を総合し、またA班の進捗が目覚しいことから、全体としておおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度以降も、各研究課題に対応してい研究班を組織し、研究を進めていく。特に2017年度は2016年度に進捗が大きかったA地域調査(子ども・家族の貧困調査)と、調査準備の調ったC社会的養護調査を中心とする。その他は試行的に研究会、調査を進め、2018年度以降の本格実施を目指す。 A地域社会調査(子ども・家族の貧困調査):2016年度実施のデータの分析を進めると同時に、2歳児、5歳児の保護者について同様の規模で調査を実施し、データの分析をあわせて行う。あわせて北海道内のいくつかの自治体を選定して、機関ヒアリングと保護者への個別面接調査、若者を対象とした生活調査を実施する。 B女性の貧困調査:研究会を重ね、DV被害者、若年女性の貧困調査の分析枠組みの検討を行う。また研究会の成果を出版物として公表する。 C社会的養護調査:自立援助ホーム等、社会的養護下にあった若者の心身の健康と「親になる過程」に焦点をあてて、個別面接調査を行う。またあわせて、職員への困難事例の聞き取りと分析を行う。 D貧困意識調査、E研究史は双方とも研究会を行い、2018年度の本格実施に向けた予備調査、分析枠組みの検討を行う。
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Research Products
(8 results)