2017 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本における政治・経済変動が教育労働運動に与えた影響に関する研究
Project/Area Number |
16H02065
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
廣田 照幸 日本大学, 文理学部, 教授 (10208887)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 直人 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (10434515)
寺脇 研 星槎大学, 共生科学部, 客員教授 (10750557)
丸山 和昭 名古屋大学, 高等教育研究センター, 准教授 (20582886)
冨士原 雅弘 日本大学, 国際関係学部, 准教授 (30339238)
小野 方資 福山市立大学, 教育学部, 准教授 (30569827)
末冨 芳 日本大学, 文理学部, 教授 (40363296)
佐久間 亜紀 慶應義塾大学, 教職課程センター(三田), 教授 (60334463)
徳久 恭子 立命館大学, 法学部, 教授 (60440997)
荒井 英治郎 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (60548006)
筒井 美紀 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70388023)
布村 育子 埼玉学園大学, 人間学部, 准教授 (70438901)
植上 一希 福岡大学, 人文学部, 准教授 (90549172)
二宮 祐 群馬大学, 大学教育・学生支援機構, 准教授 (20511968)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 日本教職員組合 / 日教組 / 労働運動 / 教育運動 / 労戦統一 / 平和教育 / 教研集会 / 55年体制 |
Outline of Annual Research Achievements |
1、関連文献・史資料の収集・吟味:日教組の運動の範囲が多岐にわたるため、大学院生や学部生にアルバイトとして利用しながら、7つの作業グループのそれぞれの主題に沿った関連文献・史資料の収集・吟味を体系的に行った。2、日教組所蔵史料の検討と整理:研究の基礎史料を利用可能な状態にしていくため、平成29年度は過去のプロジェクトにおいてデジタル化した資料を再整理しつつ、新たに当面の研究に必要な史料を選定してデジタル化作業を行った。教育制度検討委員会(第一次・第二次)関係及び1950年代後半期の中央執行委員会プリントなどを対象にした。単組史料も部分的に行った。3、1954年の中央執行委員会の議事録に綴じ込まれた中根式速記の史料を発掘してデジタル化を行うとともに、速記解読者に依頼して、解読可能性について検討をしてもらった。4、聞き取り調査:日教組OB及び文部省OBに対し手の聞き取り調査をおこなった。記録はテープ起こしと編集作業を行い、ご本人の確認を経て、聞き取り資料として確定させた。5、全体会合:全員が集まる研究会を定期的に開催し、本研究課題に関連する分野の専門家をゲスト・スピーカーとして招聘してレクチャーを受けながら、7つの作業グループから、順次、研究報告をしてもらった。また、全体会では、研究全体の進め方について協議を行った。6、チーム会合・グループ会合:2つのチーム、7つのグループごとに、定期的な会合をもち、具体的な課題に向けた研究を進めた。7、学会発表:日本教育学会、教育史学会などにおいて研究成果の報告を行った。学会発表をふまえて、論文化に向けた打ち合わせも行っている。また、学会誌等に載りにくい主題の論考等を集めて、第一次報告書を編集・印刷した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の2年目にあたる平成29年度は、全体としては順調に進み、研究成果として、グループや個人でのいくつかの学会発表と論文とをまとめることができた。また、第1期グループ及び第3期グループに関しては、ある程度全体像を描くことが可能な段階になって来たので、2冊の本の出版に向けての打ち合わせも進行している。本の出版にあたっては書き下ろしの章も含まれるため、研究メンバーで課題を分担して分析と執筆を進めている。史料の整備という面でも、本年度は順調に作業が進行した。日教組の所蔵する非公開史料の整理・リスト作成作業を進め、過去3年度分のデジタル化された史料には可能な範囲で件名索引を作成する作業を進めている。また、予算の許す範囲内で新しくデジタル化が必要な資料を選定して、新たなデジタル化に向けたリスト作りなどの作業を進めている。また、日教組OBなど、聞き取り調査が終了しているものについては、ヒアリング記録としてまとめるべく編集作業中である。全体会では、現時点で整理・収集した資料を用いて、各グループから報告者を出して、報告・議論するとともに、何人かのゲスト・スピーカーの講演・報告をもとにした議論を行った。ただし、研究の過程で、追加で聞き取りが必要な調査と新しい史料の発見もあり、ともに膨大なデータの整理に手間がかかっているため、今後の研究の積み残しの課題として残っている。残った課題については、平成30年度の研究で急いで進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究の進展に伴い、1945年~1990年代までの資料で、研究に必要な範囲の非公開資料についてのデジタル化が新たに必要になってきている。とりあえず、整理番号を振りながら簿冊単位でのリストの作成を進めているが、必要性の高い史料群はデジタル化を進めたい。また、平成29年度に着手した速記史料の解読に関しては、専門性の高い速記技能者と協力をしながら、解読者業を進めていく。整理済みでデジタル化されたデータについては、多くのメンバーがそれらのデータを使いこなせるようになりつつある。ただし、膨大なコマのデジタル史料を使いこなすためには、簿冊単位の索引づくりが必要であり、まだ、その作業が途中で、それについては、今後さらに取り組みたい。また、大原社会問題研究所や労働図書館、エル・ライブラリーなどが所蔵する関連史料の存在を確認することまではできたが、それら他の史料館・図書館の所蔵史料での本格的な史料収集はこれからであり、それについても計画を立てて進めていきたい。 また、1980年代以降の資料は、多くの形で残っている一方で整理されておらず、個別の研究者や関係者が持っている場合がある。この時期は、政治的な争点として現在まで引き続いている問題がある関係で、歴史的な資料として整理されていない。本研究では、ヒアリング調査を通して、個人所蔵など様々な形で残る資料の存在を確認しており、今後、これらの資料を収集し、整理していく必要がある。現在は西澤文書(追加分)と高山文書の整理を進めている。 以上の今までの研究の成果と、新しい資料を通じて、それぞれのグループで明らかになった点から本研究の基盤をもとに、引き続き、2つのチーム、7つのグループに分かれて研究を進めていく。
|
Research Products
(18 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] 史料紹介 石井亮一文書について2017
Author(s)
高木加奈絵、広田照幸
-
Journal Title
『戦後日本における教育労働運動の諸相』(平成28~30年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(A))「戦後日本における経済・経済変動が教育労働運動に与えた影響に関する研究」研究成果第一次報告書)
Volume: -
Pages: 66-95
-
[Journal Article] 史料紹介 西澤清文書について2017
Author(s)
広田照幸、高木加奈絵、松嶋哲哉
-
Journal Title
『戦後日本における教育労働運動の諸相』(平成28~30年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(A))「戦後日本における経済・経済変動が教育労働運動に与えた影響に関する研究」研究成果第一次報告書)
Volume: -
Pages: 96-128
-
-
-
-