2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H02162
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩室 史英 京都大学, 理学研究科, 准教授 (80281088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 顕史 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 助教 (90311183)
峰崎 岳夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60292835)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光学赤外線天文学 / 分光器 / クェーサー |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に行った研究開発は以下の通りである。 1) 近赤外分光器機械部の概念設計:近赤外分光器の機械部も含めたサイズを推定し、それに基づいて真空容器の大きさを決定するため、既に設計が完了している光学系を保持する支持機構や迷光解析とバッフルの設計を行った。また、真空容器を冷却するための冷凍機とコンプレッサーの選定(購入は次年度の予定)を行った。 2) 近赤外分光器用真空容器の設計・製作:上記機械部の概念設計により決定された体積を格納できる真空容器を設計し、大気圧に耐える機械強度を有限要素法により確認した。製作費用や全体重量を顧慮して最適な形状になるよう修正を加えて製作した。また、重量1トンの真空容器を保持し、水平方向に移動させるための搬送用台車を設計・製作した。完成した真空容器を、搬送用台車を用いて2月末に完成した京大岡山天文台のドーム1階に搬入した。 3) バイコニックミラーの製作:4枚(6面)必要なバイコニックミラーのうち、1枚(2面)の硝材手配と、鏡面を加工する際に必要な数値データを算出し鏡面加工を行った。 4) 拡張フーコーテスト試験:フーコーテストなど通常の軸対称な形状の鏡面の検査方法ではバイコニックミラーの形状を検査することはできないので、従来のフーコーテストを拡張した手法(拡張フーコーテスト)を開発し、いくつかの鏡面で原理試験を行った。データの自動取得システムと解析ソフトウェアを開発し、平成29年に予定しているバイコニックミラーの形状確認試験に向けての準備を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、真空容器と1枚目のバイコニックミラーの製作は完了した。一方で、予算不足により回折格子製作のためのガラス基盤とプリズムを製作することができなかったため、これらは次年度に先送りとなっている。バイコニックミラーを検査するための新手法の開発にも成功し、予算面以外での問題点は出ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
予算の都合による若干の遅れはあるものの、おおむね当初の計画調書の通り進めることができる見通しである。
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