2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H02260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山子 茂 京都大学, 化学研究所, 教授 (30222368)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | π共役分子 / シクロパラフェニレン / 酸化還元 / ラジカルカチオン / ジカチオン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、閉じた曲面構造を持つ三次元状のπ共役分子を有機合成により合成するための新しい方法論の確立と共に、これにより得られた化合物を材料科学へ応用することを目的とする。その研究の中で、我々はすでに環状構造を持つπ共役分子であるシクロパラフェニレン(CPP)の合成と、そこからのジカルカチオンとジカチオンとを選択的に合成できることを明らかにしている。これらの活性種の生成機構や物性の解明は有機電子材料における伝導機構の解明とも関連する重要な課題である。本研究期間ではCPPの酸化過程における移動電子数と、電子移動におけるサイズ選択性の解明を行った。 すなわち、CPPの電気化学測定では、パラフェニレン単位が7以上のCPPでは可逆的な一つの酸化波が観測されるのに対し、[5]CPPでは二つの酸化波が観測されることも明らかにしている。これらの結果とCPPのラジカルイオンおよびジカチオン生成の結果は、大きなサイズのCPPで観測された単一の酸化波が2電子移動を含むことを示唆しているが、その直接的な証拠はなかった。そこで、サイクリックボルタモグラムと回転ディスク電極を用いた電気化学的測定により、電極酸化反応に関与する電子数を直接見積もった。その結果、CPPのサイズによらず、いずれの場合も2電子酸化過程であることが示された。さらに、[6]CPPの対称性の悪い酸化波も2電子酸化であることが示唆された。さらに、一電子目の酸化がサイズの小さいCPPが起こりやすい一方、生成したラジカルカチオンからのもう一電子の酸化によるジカチオン生成は大きなCPPのほうが起こりやすく、そのタイムスケールが電気化学測定の時間分解能より早くなってしまうため、サイズが大きいCPPでは一つの酸化波しか観測できないことを明らかにした。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)