2017 Fiscal Year Annual Research Report
環境化学物質の第二次性徴・神経行動発達・アレルギーへの影響:分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
16H02645
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岸 玲子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, センター特別招へい教授 (80112449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 敦子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 准教授 (00619885)
宮下 ちひろ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (70632389)
中島 そのみ 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (70325877)
花岡 知之 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 客員教授 (00228503)
山崎 圭子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (60732120)
小林 澄貴 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (10733371)
湊屋 街子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (50733367)
有賀 正 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (60322806)
齊藤 卓弥 北海道大学, 医学研究院, 特任教授 (20246961)
鈴川 晶夫 北海道大学, 公共政策学連携研究部, 教授 (00277287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 母子健康 / 環境化学物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、出生コホート研究で保存された母体血・臍帯血および学童期から思春期に採取した児の尿を用いて、胎児期および生後の環境化学物質曝露が児のアレルギー、神経行動発達、第二次性徴等のアウトカムへ及ぼす影響についてリスク評価を行うことを目的とした。同時に複合曝露の影響および一塩基多型(SNPs)解析で感受性の高いハイリスク群を明らかにするとともに、遺伝子エピゲノム変化による発症機序を含む分子メカニズムを解明する。 平成29年度は、コホートの参加者について7歳1,350名、8歳1,286名、12-13歳になる児1,545名を対象に、7歳でアレルギー、8歳で神経行動発達、12-13歳で第二次性徴に関する調査票を発送し、それぞれ905名、901名、733名より回収した。 母体血ビスフェノール類、7歳児の尿中ネオニコチノイド系農薬ならびに有機リン系殺虫剤の曝露評価を他機関で実施した。7歳児の尿中フタル酸エステル類の曝露評価は研究代表者らがLC-MS/MSを用いて実施し、分析対象10化合物(MiBP, MnBP, MBzP, MEHP, MEHHP, MEOHP,MECPP, MiNP, OH-MiNP, cx-MiNP)の感度上昇、また、MEHHP, MEOHP, MiNP, OH-MiNP, cx-MiNPの分析精度を向上することができた。現在も分析条件検討の継続中である。また、専用のキットを用いて学童期の口腔内粘膜を収集し、口腔内粘膜DNAメチル化状態の解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模出生コホートの調査継続、質問票の発送および回収に関しては概ね計画通りに進んでいる。翌年度以降も継続し、フォローアップの維持に努める。 尿中のフタル酸エステル類代謝物一斉分析に関して、購入したLCMSMSの導入時期により分析条件の検討の着手が遅れていたが、H29年度に分析初期条件として、カラムおよび分析条件の変更などを経て感度上昇を達成した。H30年度は曝露評価の実施が可能な状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き出生コホートの調査継続、質問票の発送および回収、尿検体の改修、フォローアップ、生後の曝露評価として児の尿中のフタル酸エステル類代謝物の測定を継続する。曝露評価を実施した環境化学物質について、胎児期および生後の環境化学物質曝露いよる児のアレルギー、神経行動発達、性ホルモンなど第二次性徴のアウトカムへの影響を検討する。さらに、母児のSNP解析をした上で、母児のPeroxisome proliferator-activated receptor alpha (PPARα)遺伝子型およびDNA修復関連遺伝子型が環境化学物質と出生体重との関連に違いを及ぼすかを明らかにする。 最終的には、胎児期および生後の環境化学物質の複合曝露によるアレルギー・免疫系、神経行動発達、第二次性徴との関連について、エピジェネティックな変化の交互作用も考慮した評価を行う。
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Research Products
(39 results)
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[Journal Article] Prevalence and Risk of Birth Defects Observed in a Prospective Cohort Study: The Hokkaido Study on Environment and Children’s Health.,2018
Author(s)
T. Hanaoka, N. Tamura, K. Ito, S. Sasaki, A. Araki, T. Ikeno, C. Miyashita, S. Ito, H. Minakami, K. Cho, T. Endo, T. Baba, T. Miyamoto, K. Sengoku, R. Kishi; other members of the Hokkaido Study on Environment and Children’s Health
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Journal Title
J Epidemiol.
Volume: 28(3)
Pages: 125-132
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Cord Blood Bisphenol A Levels and Reproductive and Thyroid Hormone Levels of Neonates: The Hokkaido Study on Environment and Children's Health.2017
Author(s)
Minatoya M, Sasaki S, Araki A, Miyashita C, Itoh S, Yamamoto J, Matsumura T, Mitsui T, Moriya K, Cho K, Morioka K, Minakami H, Shinohara N, Kishi R.
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Journal Title
Epidemiology
Volume: 1
Pages: S3-S9
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] The associations between prenatal phthalates exposure and cryptorchidism: The Hokkaido Study on Environment and Children's Health2017
Author(s)
Ait Bamai, Y., Miyashita, C., Onoda, Y., Araki, A., Moriya, K., Shinohara, N., Matsumuar, T., Kishi, R.
Organizer
The 29th Annual Scientific Conference of the International Society of Environmental Epidemiology (ISEE) 2017
Int'l Joint Research
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