2020 Fiscal Year Annual Research Report
期待オイラー標数法の深化と実用化,および関連する数理の展開
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16H02792
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
栗木 哲 統計数理研究所, 数理・推論研究系, 教授 (90195545)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ミンコフスキー汎関数 / 非心ウィシャート行列 / クロネッカー共分散構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 一般次元の弱い非ガウス性を持った等方的確率場について,そのレベルセットの期待ミンコフスキー汎関数の期待値を,3, 4次の高次スペクトル (すなわち,3, 4点相関関数のフーリエ変換) を用いた摂動計算の形で与えた.期待ミンコフスキー汎関数は形態解析の分野で用いられることの多い幾何量であるが,とくに天体物理の分野では宇宙マイクロ波背景放射 (CMB) や宇宙の大規模構造 (Large-scale structure of the Universe) のデータに適用され宇宙理論の妥当性の検証に用いられてきた経緯がある.研究結果の一部を,天体物理系の国際誌 Physical Review D に掲載した.引き続き宇宙シミュレータで生成されたシミュレーションデータと理論結果の比較数値実験を行った. 2. さらに上記の計算はいわゆる形式的な計算であるため,それにどのように数学的な正当性を与えることができるか検討を行った. 3. 非心ウィシャート行列の最大固有値分布は,オイラー標数近似によってその近似を与えることができる例の一つであった.その近似を計算代数の手法であるホロノミック法で数値計算する研究を行っていたが,最終的に雑誌 Journal of Multivariate Analysis に刊行した. 4. クロネッカー構造を持つ分散共分散構造の最尤推定量の存在に関するMathias Drton および Peter Hoff との共同研究を Annals of Statistics に掲載した. 5. オイラー標数よりもさらに情報量をもったベッチ数を用いた新しいデータ解析手法である位相データ解析 (TDA) のロバスト化の試みの研究を行い,国際学会 NeurIPS で発表した. 6. 行列解析,確率,統計を横断する学際的な国内研究集会「確率・統計・行列ワークショップ彦根2021」を2021年11月15日(月)に滋賀大学にて開催した.
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)