2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developments of an Inquiry Based Appreciation Programs Utilizing Collections of museums
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16H03110
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Research Institution | The National Museum of Modern Art, Tokyo |
Principal Investigator |
一條 彰子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (40321559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 洋子 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (00270421)
室屋 泰三 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, 企画課, 主任研究員 (30537329)
東良 雅人 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (70619840)
奥村 高明 聖徳大学, 児童学部, 教授 (80413904)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 所蔵作品 / 鑑賞教育 / 美術館 / 学校 / フィンランド / デンマーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国内外で行われている最新の美術鑑賞教育の理論と方法を整理したうえで、国内各地の美術館の所蔵作品を用いて、探究的な鑑賞プログラムを開発することである。研究2年目となる平成29年度は、北欧(デンマーク・フィンランド)の美術館の先進的な取り組みを視察し、学校教育や国の教育政策との関わりについて調査することができた。具体的には次のとおり。 デンマークの主要な3つの美術館(コペンハーゲン国立美術館、ルイジアナ美術館、アーケン近代美術館)と、フィンランドの主要な3つの美術館(国立キアズマ現代美術館、国立アテネウム美術館、エンマ美術館)では、教育担当学芸員から次の点について説明を受け、ギャラリートークを視察した。①鑑賞教育の理論と教授法、②所蔵作品をどのように括用しているか、③教育スタンダードや国の教育政策の反映、④学校連携や教員研修について、⑤教育部の組織とスタッフ、⑥課題と目標。また、フィンランドでは小学校と中学校、放課後学校を訪問し、授業視察を行った。さらには国立教育庁で美術を担当する調査官との面談を行い、国の教育政策をヒアリングすることができた。 これらの調査により、国際的に高い評価を受けている北欧の学校教育の中で、美術館の所蔵作品を活用した鑑賞教育が推進されていることを確認した。また調査により、美術科以外の教科でも、美術館の所蔵作品を活用した学習の可能性があることが判明した。海外調査については、美術科教育学会で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
9月の北欧(フィンランド・デンマーク)における鑑賞教育の調査の結果、当初の予想を超えて、美術科以外の教科でも美術館の所蔵作品を活用した学習の可能性があることが判明した。このことを成果物であるウェブ鑑賞教材に反映させる必要が生じ、コンテンツ再検討のため、当初計画を変更し、研究費の一部を繰越申請することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年6月までにウェブ鑑賞教材のコンテンツを取りまとめ、参加検討中の美術館学芸員に向けた勉強会を開催する。その後、協力美術館を決定し、画像と原稿提供を依頼する。9月までにウェブ鑑賞教材の暫定版を作成し、小学校、中学校、高等学校で授業を実施。そのフィードバックを反映した決定版を作成し、平成31年3月学会等で発表する。
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Research Products
(13 results)