2018 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の身体機能発達と発達に影響を及ぼす諸要因の相対的特徴と全国基準値作成
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16H03271
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小栗 和雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 准教授 (10387516)
山次 俊介 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (40311021)
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 准教授 (50422209)
松田 繁樹 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (60405058)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 子ども / 全国基準値 / 学力 / 体力 / 環境差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,これまで通り,中部地区を中心に幼児から児童までの体力・運動能力テストを順次開催し,全国基準値となる資料(データ)の収集を継続して行った.次年度以降は,幼児期における体力テスト項目の全国的な評価基準値を算出し,広く広報することで,研究者だけでなく,保育現場の保育者や家庭の保護者も子どもたちの現状を簡単に評価できるようなシステムを構築する. 加えて,運動・スポーツの格差を検証するため,大規模な家庭調査と体力テストの関連を検討するための資料も収集した.また,体力と学力の関連を検証するため,約3000名の小学生6年生と中学生3年生の全国学力テストのデータと前年度実施した全国体力テストのデータを個人を紐付けして収集した.基礎的分析の結果,小学生の体力の高低と国語,算数,理科から判定される総合学力能力(正答数)の高低には有意な関連が認められ,体力総合評価が最も高いA群から最も低いE群までの群分けにおいても,高い評価群であればあるほど各教科の正答数も多くなる傾向を示した.これらの基礎分析から,現在の子どもたちは「運動遊び,運動やスポーツに励み体力を高めれば学力が高くなる」「勉強を頑張れば体力が高くなる」といった事ではなく,体力と学力がともに高い子どもは何らかの影響要因(家庭環境,心理的特性,社会性など)を共通に備えていることが示唆された.次年度以降はこれら希少かつ重要なデータを用いて詳細な関係性を明らかにする分析に入る予定である. さらに,海外調査では,アメリカハワイ州に在住する日本人の子どもの生活習慣調査のために予備調査を現地に赴いて実施した.現地で今後,本研究に協力してくれるコミュニティー形成の一助となるだろう.今後も保護者の代表者と連絡を密にし,大規模な現地体力調査,生活環境調査の実施に進めていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査で最も重要な全国基準値の完成まで資料の収集が順調に進んでおり,加えて,海外在住の日本人の子どもたちが生活するコミュニティーとの連携の一端も担えたため概ね順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで通りの資料収集とともに,収集済みデータをもとに詳細な分析を行いながら,国内,国外に対して学会を通して研究発表するとともに,学術論文の掲載につなげていき,情報を広く周知する予定である.
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