2016 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular design of innovative agrochemicals for greening of infertile soil: chemical biology of mugineic acids
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16H03292
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
難波 康祐 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 教授 (50414123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 佳子 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 主席研究員 (60256047)
中山 淳 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学系), 助教 (60743408)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ムギネ酸 / ムギネ酸・鉄錯体 / 光親和性標識 / トランスポーター / 蛍光標識 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、合成したムギネ酸類・鉄錯体をイネの培地に添加すると、アルカリ性条件下でもイネが正常に生育することを見出している。そこで本年度では、ムギネ酸・鉄錯体を吸収するトランスポーターの働きを詳細に調べるため、ムギネ酸・鉄錯体トランスポーターを特異的に標識するプローブの開発に取り組んだ。 受容体の標識とは異なり、トランスポーターの標識は活性分子に光親和性標識基を導入しても通過してしまうため標識が困難と予想された。そこで、まずはムギネ酸・鉄錯体の通過を阻害する阻害剤の開発を行い、種々の類縁体を合成した。合成した阻害剤候補化合物の中から、有効な阻害活性を示す誘導体を見出した。ついで、阻害剤に光親和性基および蛍光基を導入したトランスポーター標識プローブを設計・合成した。得られたプローブとムギネ酸・鉄錯体トランスポーターとの結合実験を行ったところ、本プローブによってムギネ酸・鉄錯体トランスポーターの標識が可能であることが明らかとなった。これにより、遺伝子組み換えを行うことなく、自然な状態でのイネのトランスポーターの動きを観察することが可能になると示唆された。 また、ムギネ酸類を肥料として大量に供給することは困難であったことから、安価に合成できる種々の類縁体を合成し、それらの活性評価を行った。その結果、大幅にコストを削減可能な安価誘導体を見出すことに成功した。これにより、実際の圃場での実験が可能になると期待できる。 上記の成果を基に、国内学会発表34件、国際学会発表1件、招待講演6件の成果を得ると共に、査読付き論文7報を平成28年度中に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスポーターの通過を阻害する種々の類縁体を合成し、それらのトランスポーター通過活性を評価した結果、阻害効果を示す誘導体を見出すことができた。さらに、この阻害剤に対して光親和性基と蛍光基を導入したトランスポーター標識プローブを設計・合成した。このプローブを用いて精製したムギネ酸・鉄錯体トランスポーターとの結合実験を行ったところ、本プローブが効果的にトランスポーターに結合していることが明らかとなった。以上のようにして、ムギネ酸・鉄錯体トランスポーターを標識可能なプローブの作成に成功したことから、おおむね順調に進行していると判断した。 また、ムギネ酸の安価誘導体を網羅的に合成し、優れた生育活性を示す誘導体を見出すことができた。これにより、次年度以降のプレ圃場試験が実現可能となったことから、本研究課題は順調に進捗していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までにトランスポーター標識プローブの合成に成功したことから、本年度以降では本プローブの特異性の確認を行う。種々のタンパク質の混合物の中から、特異的にムギネ酸・鉄錯体のみと結合できるかについて検証を行う。これと並行して、実際に生きたイネの根を標識し、鉄欠乏状態および鉄飽和状態のイネの根に発現しているトランスポーターの量や部位を調べると共に、標識したトランスポーターの挙動を蛍光で追跡する。また、ムギネ酸に長波長の蛍光標識基を導入し、植物体内に取り込まれた後の挙動の観察も行い、長らく不明であったムギネ酸の体内での挙動を明らかにすることを試みる。 また、先に見出した安価誘導体を基にさらなる構造活性相関研究を行い、より大量かつ低コストで供給できる誘導体の開発を行う。本研究により見出された安価誘導体については、マイクロリアクターの適用やカラムフリー合成への展開などを試み、大量供給可能な合成ルートの確立を目指す。
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Research Products
(51 results)
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[Journal Article] Functional 1,3a,6a-triazapentalene scaffold: Design of fluorescent probes for kinesin spindle protein (KSP)2016
Author(s)
Jun-ichi Sawada, Ayumi Osawa, Tomoki Takeuchi, Masato Kaneda, Shinya Oishi, Nobutaka Fujii, Akira Asai, Keiji Tanino, Kosuke Namba
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Journal Title
Bioorg. Med. Chem. Lett.
Volume: 26
Pages: 5765-5769
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effective Cellular Morphology Analysis for Differentiation Processes by a Fluorescent 1,3a,6a-Triazapentalene Derivative Probe in Live Cells2016
Author(s)
Rui Kamada, Fumi Tano, Fuki Kudoh, Nozomi Kimura, Yoshiro Chuman, Ayumi Osawa, Kosuke Namba, Keiji Tanino, Kazuyasu Sakaguchi
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 11
Pages: e0160625
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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